金閣寺(三島由紀夫)あらすじ・登場人物・単語帳
目次
あらすじ
『金閣寺』は、吃音を抱える青年・溝口が、幼いころから父に語り聞かされた金閣の美に強く取り憑かれていく物語です。
溝口は父の死後、京都の鹿苑寺に入り、修行僧として生活を始めます。そこで鶴川や柏木といった人物と出会い、劣等感、美への執着、母や老師への反発を深めていきます。
やがて溝口にとって金閣は、憧れの対象であると同時に、自分の人生を圧迫する絶対的な存在となります。敗戦後の社会不安や人間関係のゆがみの中で、溝口は金閣を焼かなければならないという考えに取り憑かれていきます。
最後に溝口は金閣へ火を放ち、山へ逃れます。金閣を焼いたあと、彼は死を選ぶのではなく、「生きよう」と思うところで物語は終わります。
登場人物
| 名(よみ) | 説明 | 備考 |
|---|
| 溝口(みぞぐち) | 主人公。「私」。吃音を抱え、金閣への強い執着を持つ青年。 | |
| 父 | 溝口の父。成生岬の寺の住職。溝口に金閣の美しさを語る。 | 物語序盤で重要 |
| 母 | 溝口の母。父の死後も溝口を気にかけ、金銭面でも支える。 | |
| 叔父(おじ) | 溝口が中学時代に預けられた父方の親族。 | 父の故郷側の人物 |
| 叔母(おば) | 溝口が預けられた家の女性。 | |
| 有為子(ういこ) | 溝口の近所に住む美しい娘。溝口に強い恥と憎しみを残す人物。 | 第1章の重要人物 |
| 有為子の父 | 有為子の父。憲兵に捕まった有為子を責める。 | |
| 有為子の母 | 有為子の母。溝口の叔父の家へ告げ口に来る。 | |
| 海軍病院の脱走兵 | 有為子と関係を持ったとされる海軍の脱走兵。 | 有為子の事件に関係 |
| 憲兵(けんぺい) | 脱走兵を捜索し、有為子を詰問する軍関係者。 | |
| 舞鶴海軍機関学校の生徒 | 溝口の中学の先輩。若い英雄のように描かれ、溝口の劣等感を刺激する。 | 短剣の挿話 |
| 田山道詮和尚(たやまどうせんおしょう) | 鹿苑寺の住職。溝口の父と禅堂時代の友人で、溝口を鹿苑寺へ受け入れる。 | 老師 |
| 鶴川(つるかわ) | 溝口の友人。明るく善良な人物として描かれ、溝口にとって光の側の存在。 | 主要人物 |
| 柏木(かしわぎ) | 溝口の友人。足に障碍を持つが、知的で皮肉な人物。溝口に大きな影響を与える。 | 主要人物 |
| 赤松(あかまつ) | 柏木に関係する人物として登場する女性。 | 必要に応じて本文確認後に補足 |
| 柏木に関わる女性 | 柏木の人間観や行動を示す場面で登場する女性たち。 | 章別確認で個別名があれば分離 |
| 娼婦(しょうふ) | 溝口や柏木の欲望・現実認識に関わる場面で登場する女性。 | 章別確認で補足 |
| 寺の僧たち | 鹿苑寺で生活する僧侶たち。溝口の修行生活の背景となる。 | |
| 老師の関係者 | 鹿苑寺や寺院生活の周辺に登場する人物。 | 必要に応じて章別で追記 |
単語帳
第1章
| 語(よみ) | 意味 | 備考 |
|---|
| 舞鶴(まいづる) | 京都府北部の中丹地域の都市 | 舞鶴市 |
| 心寂しい(うらさびしい) | 何となくさびしい | |
| 懇望(こんぼう) | 他人に切にのぞむこと。 | |
| 僧籍(そうせき) | 僧侶・尼としての身分や籍(登録簿) | |
| 辺鄙(へんぴ) | 中心から離れた地域 | |
| 成生岬(なりうみさき) | 京都府北部,大浦半島の北端にある岬 | 成生岬 |
| 膝下(しっか) | ひざもと。親のもとで生活している意を表す。 | |
| 夥しい(おびただしい) | 数や量が非常に多い。ものすごい。 | |
| 時雨(しぐれ) | 主に秋から冬にかけて起こる、一時的に降ったり止んだりする雨 | |
| 山腹(さんぷく) | 山の頂上と麓との間の部分。山の中腹。山のなかほど。 | |
| 只中(ただなか) | 中ほど · 中ごろ · 中間 | |
| 金屏風(きんびょうぶ) | 金箔が張られた屏風 | |
| 勝を制す(かちをせいす) | 勝利を決める。 | |
| 音韻(おんいん) | 音と響き。ねいろ。 | |
| 田の面(たのも) | 「田んぼ」の古い言い方 | |
| 投影(とうえい) | ① 地上・水面などにものの影が映ること。また、その影。 ② 比喩的に、ある物の存在や影響が、他の物の上に具体的な形となって現われること。また、その形。 | 今回は②の意味 |
| 吉坂峠(きちざか/きっさかとうげ) | 京都府舞鶴市と福井県大飯郡高浜町との境にある峠 | 吉坂峠 |
| 聳える(そびえる) | きわだって高く立つ。 | |
| 時化る(しける) | 風雨が強く、海が荒れる。 | |
| 生来(せいらい) | 生まれつき。 | |
| 吃り(どもり) | 吃音症。言葉が円滑に話せない、スムーズに言葉が出てこないこと。 | |
| 引込思案(ひっこみじあん) | 内気で人前に積極的に出たり、自分から行動を起こしたりするのが苦手な性格、またはその様子。 | |
| 悪童(あくどう) | いたずらがはなはだしく、手に負えない子供。 | |
| 講談(こうだん) | 物語の読み聞かせ | |
| 岡っ引(おかっぴき) | 江戸時代に町奉行所の与力や同心の下で、犯罪捜査や犯人逮捕の協力者として活動した非公式の人物 | |
| 外界(がいかい) | 自分をとりまく、まわりの世界。 | |
| 障碍(しょうがい) | 正常な進行や活動の妨げとなるもの。「障害」と同意。 | 「障害」「障がい」「障碍」どれが正しい? |
| 内界(ないかい) | 意識の中。心の中の世界。 | |
| 黐(もち/とりもち) | モチノキなどの樹皮から作られる粘着力の強い物質 | 鳥黐 |
| 相反する(そうはんする) | 一致しない。対立している。 | |
| 暴君(ぼうくん) | 暴虐な、人民を苦しめる君主。 | |
| ひねもす | 一日中。終日。 | |
| 辷り(すべり) | なめらかに進む。「滑る」と同意。 | |
| 残虐(ざんぎゃく) | 人を殺したり非常に苦しめたりするような、ひどくむごいこと。 | |
| 蔑む(さげすむ) | 見くだす。 | |
| 諦観(ていかん) | 本質をはっきりと見きわめること。 | |
| 負け目(ひけめ) | 他に比べて自分が劣るという意識。 「引け目」と同意。 | |
| 挿話(そうわ) | 本筋とは直接関係のない短い話。エピソード。 | |
| 伸びやか(のびやか) | 自由でゆったりしているさま。 | |
| 目深(まぶか) | 帽子などを、目が隠れるくらい深くかぶること。 | |
| 制帽(せいぼう) | ある集団に属する人がかぶる、定められた帽子。 | |
| 庇(ひさし) | 帽子の、額の上に突き出た部分。つば。 | |
| 秀でた(ひいでた) | 他のものより能力や程度が非常に優れていること、抜きん出ていること。 | |
| 鼻梁(びりょう) | はなすじ。はなばしら。 | |
| 豪奢(ごうしゃ) | とても派手で贅沢なこと。 | |
| 一挙手一投足(いっきょしゅいっとうそく) | こまかな一つ一つの動作や行動。 | |
| 蛇腹(じゃばら) | ヘビの腹のようなひだがあり、伸縮自在の部分。 | |
| 大谷石(おおやいし) | 栃木県宇都宮市北西部の大谷町付近一帯で採掘される軽石凝灰岩の石材。 | 大谷石 |
| スイートピー | イタリアのシチリア島原産の一年草。 | スイートピー |
| アネモネ | キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。 | アネモネ |
| 雛罌粟(ひなげし) | ヨーロッパ原産のケシ科の一年草。 | ヒナゲシ |
| 花圃(かほ) | はなばたけ。 | |
| 朴の木(ほおのき) | モクレン科モクレン属に属する落葉高木の1種。 | ホオノキ |
| 威風(いふう) | 威厳があり、立派に見える様子。 | |
| 啞(おし) | ものが言えない人。 | |
| 嘲笑(ちょうしょう) | あざわらうこと。 | |
| 葉叢(はむら) | おい茂った葉。葉の茂み | |
| 燦然(さんぜん) | かがやくさま。 | |
| 荘厳(そうごん) | おごそかで重々しいこと。 | |
| 日常些末(ちじょうさまつ) | 日常の取るに足らない、重要ではない些細なこと。 | |
| 伊達(だて) | かっこいいところを見せようしている様子。 | |
| 角力(すもう) | 「相撲」と同意。 | |
| 誉れ(ほまれ) | 人が誉めたたえるほどの(喜ばしい)評価。 | 「誉れの墓地」は慣用句ではないが「(死者の)名誉」という意味で使われていると思われる。 |
| 漆黒(しっこく) | うるしをぬったように黒くてつやがあること。 | |
| 却って(かえって) | 反対に。逆に。 | |
| 抒情的(じょじょうてき) | 感情が外にあらわれるような様子。情感あふれるさま。 | |
| 遺品(いひん) | 死んだ人が残した、また、故人にゆかりの、品物。 | |
| 喚声(かんせい) | 感情の高ぶりを伴う大きな声。 | |
| 条(じょう) | 一筋ずつ書き並べた文。 | 二三条=2,3文 |
| 即断(そくだん) | その場ですぐ決断すること。 | |
| 手記(しゅき) | 自分で体験・感想などを書きつづったもの。 | |
| 補填(ほてん) | 足りないものを埋め合わせる。 | |
| それで以て(それでもって) | それゆえに。だから。 | |
| 抜きん出る(ぬきんでる) | とびぬけて優れている。 | |
| 衝動(しょうどう) | 強く心を突き動かすこと。 | |
| 傲慢(ごうまん) | おごりたかぶって、人をあなどること。 | |
| 矜り(ほこり) | 自己の尊厳や信念に基づく揺るぎない自信やプライド。「誇り」と同意。 | |
| 宿命(しゅくめい) | 避けることも変えることもできない運命的なもの。 | |
| 回想(かいそう) | 過ぎ去ったことをあれこれ思い出すこと。 | |
| 与かる(あずかる) | 物事にかかわりを持つ、関係する。 | |
| 一挙(いっきょ) | 一度にかためて物事をやること。いっぺん。 | |
| 官能(かんのう) | 感覚器官の働き。 | |
| 崇高(すうこう) | 尊くけだかいこと。 | |
| 看過(かんか) | 見のがすこと。 | |
| 隔てる(へだてる) | 物の間に距離をおく。 | |
| 物持(ものもち) | 多くの財産を所持する人。財産家。 | |
| 権柄ずく(けんぺいずく) | 相手を頭から押さえる態度で、物を言ったりふるまったりするさま。 | |
| ちやほや | 相手を甘やかしたり機嫌をとったりして、大切に扱うさま。 | |
| 石女(うまづめ) | 子を産めない女性。 | |
| 白白(しらじら) | 夜が明けて、だんだん明るくなっていくさま。 | |
| 暗鬱(あんうつ) | 暗く気がしずむ様子。 | |
| 空想(くうそう) | 現実にはあり得ない事、現実とは何ら関係のない事を、頭の中だけであれこれと思いめぐらすこと。 | |
| 耽る(ふける) | 熱中する。 | |
| 暁闇(ぎょうあん) | 夜明け方のほの明るいやみ。 | |
| 折に触れて(おりにふれて) | その都度。 | |
| 固着(こちゃく) | 同じ所にとどまって、そのままの状態で定着すること。 | |
| 思念(しねん) | 思い考えること。 | |
| 凝結(ぎょうけつ) | 物がこり固まること。 | |
| 欅(けやき) | ニレ科ケヤキ属の落葉高木。 | ケヤキ |
| 朝露(あさつゆ) | 朝、草木や地面に降りる水滴。 | |
| 根方(ねかた) | ねもと。 | |
| 藪蚊(やぶか) | 主にヒトスジシマカという蚊の俗称で、黒い体に白い縞模様が特徴。 | |
| 仄か(ほのか) | はっきりとは分からないくらい、わずかに現れるさま。 | |
| 暁(あかつき) | 夜あけ。あけがた。 | |
| 確乎(かっこ) | 確かなさま。 | |
| 青葉山(あおばさん) | 福井県大飯郡高浜町と京都府舞鶴市にまたがる山。 | 青葉山 |
| 賦与(ふよ) | 配り与えること。 | |
| 光彩陸離(こうさいりくり) | きらびやかな光がまともに見られないほど美しく輝く様子。 | |
| 端正(たんせい) | 行儀や姿などが整っていて立派なこと。 | |
| 嘲る(あざける) | 見下して悪口を言う。 | |
| 温和(おんわ) | おとなしくてやさしいこと。 | |
| 叱責(しっせき) | 相手の失敗や過ちを厳しく責め、非難し、責任を問うこと。 | |
| 成就(じょうじゅ) | 願いがかなうこと。 | |
| 爾来(じらい) | それ以来。 | |
| 取沙汰(とりざた) | 世間で噂されたり、話題になったりすること。 | |
| 刈田(かりた) | 稲を刈り取った後の田んぼ。 | |
| 稲架(はざ) | 稲刈り後に束ねた稲を天日で乾燥させるために田んぼに設置する棚状の木や竹の構造物。 | |
| 詫び言(わびごと) | 謝罪の言葉。 | |
| 相違ない(そういない) | 間違いがない。確実である。 | |
| 詰問(きつもん) | 相手を責めながら、返事を迫って問い立てること。 | |
| 然るに(しかるに) | それなのに。 | |
| つぶさ | こまかにくわしく。 | |
| 鹿原(かわら) | 京都府舞鶴市の地名。 | |
| 金剛院(こんごういん) | 京都府舞鶴市にある真言宗東寺派の寺院。山号は鹿原山。 | 金剛院(舞鶴市) |
| 御手植(おてうえ) | 自分の手で植えること。 | |
| 栢・榧(かや) | イチイ科の常緑針葉樹。 | カヤ |
| 名刹(めいさつ) | 名高い寺院。 | |
| 築泥・築地(ついじ) | 泥で塗り固め、かわらで屋根をふいた塀。 | |
| 山茶花(さざんか) | ツバキ科ツバキ属の常緑広葉樹。 | サザンカ |
| 御堂(みどう) | 仏像を安置した堂(本堂)。 | |
| 丸木橋(まるきばし) | 一本のまるたを渡して橋としたもの。 | |
| 石灰石(せっかいせき) | 主成分が炭酸カルシウムから成る方解石などの集合体の岩石。 | |
| 本殿(ほんでん) | 神社で神様が鎮座し、ご神体(鏡、玉など)が安置されている最も神聖な社殿。 | |
| 渡殿(わたどの) | 二つの建物をつなぐ渡り廊下。 | |
| 神楽殿(かぐらでん) | 神社で神様に奉納する神楽(舞や音楽)を舞うための舞台となる建物。 | |
| 艶めかしい(なまめかしい) | あでやかで美しい。 | |
| 鉾杉(ほこすぎ) | 鉾のようにまっすぐに伸びた杉の木。 | |
| 稜線(りょうせん) | 山などの背にあたる、峰から峰へつづく線。 | |
| 澄明(ちょうめい) | 澄みきって明るいこと。 | |
| 失墜(しっつい) | 信用・権威などを失うこと。 | |
| 全的(ぜんてき) | 全体を一丸とした扱いであること。 | |
| 袈裟(けさ) | 仏教の僧侶が身につける法衣。 | |
| 通暁(つうぎょう) | すみずみまで非常にくわしく知ること。 | |
| 楼閣建築(ろうかくけんちく) | 高層で重層(何階にも重なっている)の建築物 | |
| 厳しい(いかめしい) | 人にこわい感じを与えるような、きびしい様子。 | |
| 焦燥・焦躁(しょうそう) | あせっていらだつこと。 | |
| 疎外(そがい) | 人間が本来あるべき状態から切り離された惨めな状態にあること | |
| 観念(かんねん) | 物事に対してもつ考え。 | |
| 精巧(せいこう) | 細工が細かく、よくできていること。 | |
| 伽藍(がらん) | 寺院の建物群の総称。 | |
| 朧(おぼろ) | 物の姿がかすんで、はっきりしないさま。 | |
| 煤煙(ばいえん) | 物の燃焼時に発生する煙や煤(すす)のこと。 | |
| 丁年(ていねん) | 一人前に成長した年齢。 | |
| 混濁(こんだく) | まじってにごること。 | |
| 轆轤(ろくろ) | 回転する力を利用して円形の器や木地を削り出す機械や装置の総称。 | |
| 鐘楼(しゅろう) | 寺院や教会などにおいて鐘を設置するために設けられた施設。 | |
| 面持(おももち) | ある感情の表れている顔つき。 | |
| 恭しく(うやうやしく) | 相手を非常に敬い、礼儀正しく、かしこまって丁寧な態度や振る舞いをする様子。 | |
| 縁先(えんさき) | 縁側の外側のはし。 | |
| 巧緻(こうち) | きめこまかく上手にできていること。 | |
| 躊躇(ちゅうちょ) | ためらうこと。すぐに決心できないこと。 | まだ見ぬ金閣に接する直前の心理 |
| 賭ける(かける) | 成否や結果を、あるものにゆだねること。 | ここでは金閣の美しさより、自分の想像力に賭けるという意味 |
| 通り一ぺん(とおりいっぺん) | 表面的で、深くないこと。ありきたりなこと。 | 美術書の説明への距離感 |
| 足利義満(あしかがよしみつ) | 室町幕府第三代将軍。北山殿を受け継ぎ、金閣のもとになる建築を営んだ人物。 | 足利義満 |
| 西園寺家(さいおんじけ) | 公家の家柄。北山殿の旧所有者。 | 西園寺家 |
| 北山殿(きたやまどの) | 京都北山にあった山荘。足利義満が譲り受け、後の鹿苑寺・金閣につながる。 | 北山殿 |
| 譲り受ける(ゆずりうける) | 他人から財産や権利などを受け取ること。 | |
| 大規模(だいきぼ) | 仕組みや建物などの規模が大きいこと。 | |
| 別荘(べっそう) | 本宅とは別に、休養などのために設ける住まい。 | |
| 主要建築(しゅようけんちく) | 中心となる重要な建物。 | |
| 舎利殿(しゃりでん) | 仏陀の遺骨である仏舎利をまつる建物。 | 後に金閣と呼ばれる建物 |
| 護摩堂(ごまどう) | 護摩を焚いて祈祷を行う堂。 | 護摩 |
| 懺法堂(せんぼうどう) | 罪を懺悔する法要を行う堂。 | 仏教建築 |
| 法水院(ほすいいん) | 仏の教えが煩悩を洗い清めることを水にたとえた語に由来する建物名。 | 初層の阿弥陀堂の名 |
| 宸殿(しんでん) | 天子の居室。 | |
| 公卿間(くげのま) | 公卿が用いる部屋。 | 住宅関係の建築 |
| 会所(かいしょ) | 人々が集まるための場所・建物。 | 住宅関係の建築 |
| 天鏡閣(てんきょうかく) | 北山殿にあった住宅関係の建築名。 | 固有名として整理 |
| 拱北楼(きょうほくろう) | 北山殿にあった住宅関係の建築名。 | 固有名として整理 |
| 泉殿(いずみどの) | 庭や泉に面して設けられた建物。 | 室町時代の庭に面した小建築の称 |
| 看雪亭(かんせつてい) | 北山殿にあった住宅関係の建築名。 | 固有名として整理 |
| 一線を引く(いっせんをひく) | はっきり区別する。境目を明確にする。 | 金閣と呼ばれる時期を明確にするのは困難、という文脈 |
| 応仁の乱(おうにんのらん) | 応仁元年から約十年続いた京都中心の大乱。 | 応仁の乱 |
| 文明(ぶんめい) | 室町時代の年号。1469年から1487年。 | |
| 可成(かなり) | 相当程度。かなり。 | 現代表記では「かなり」が普通 |
| 普遍的(ふへんてき) | 広く一般に行き渡っていること。 | |
| 苑池(えんち) | 庭園の池。 | 鏡湖池を指す文脈 |
| 鏡湖池(きょうこち) | 鹿苑寺の庭園にある池。金閣がのぞむ池。 | 鏡湖池 |
| 三層(さんそう) | 三つの階層から成ること。 | |
| 応永(おうえい) | 室町時代の年号。 | 金閣完成時期の説明で登場 |
| 寝殿造(しんでんづくり) | 平安・鎌倉時代の貴族住宅の様式。 | 寝殿造 |
| 蔀戸(しとみど) | 格子の裏に板を張った戸。採光や雨風を防ぐために用いる。 | 蔀 |
| 方三間(ほうさんげん) | 正面・側面ともに柱間が三間であること。 | 第三層の構造説明 |
| 純然たる(じゅんぜんたる) | まじりけがなく、その性質そのものであるさま。 | |
| 禅堂(ぜんどう) | 禅宗で坐禅などを行う堂。 | |
| 仏堂(ぶつどう) | 仏像を安置する堂。 | |
| 桟唐戸(さんからど) | 框を組み、その間に薄い板をはめた扉。禅宗建築とともに伝来した。 | 桟唐戸 |
| 花頭窓(かとうまど) | 上部が火灯形に曲線を描く窓。寺院建築などに見られる。 | 火灯窓 |
| 檜皮葺(ひわだぶき) | 檜の樹皮を用いて屋根を葺く工法。 | 檜皮葺 |
| 宝形造(ほうぎょうづくり) | 四方の屋根面が頂点に集まる屋根形式。 | 宝形造 |
| 金銅(こんどう) | 銅に金めっきを施したもの。 | |
| 鳳凰(ほうおう) | 中国由来の想像上の霊鳥。吉祥の象徴。 | 鳳凰 |
| 切妻(きりづま) | 屋根の形式の一つ。二方向に傾斜する単純な屋根。 | 切妻造 |
| 釣殿(つりどの) | 寝殿造で池に臨んで張り出す建物。 | |
| 漱清(そうせい) | 金閣の釣殿の名。 | 固有名として整理 |
| 突出(とっしゅつ) | 突き出ること。他より外へ出ていること。 | |
| 単調(たんちょう) | 変化が少なく、一本調子であること。 | |
| 勾配(こうばい) | 傾き。傾斜。 | 屋根の傾き |
| 軒(のき) | 屋根の下端で、建物の外側に張り出した部分。 | |
| 疎(そ) | まばらであること。密でないこと。 | 軒の様子 |
| 木割(きわり) | 建築で、部材寸法や比例を決める基準。 | |
| 軽快優美(けいかいゆうび) | 重苦しさがなく、軽やかで美しいこと。 | 金閣の建築美の説明 |
| 庭園建築(ていえんけんちく) | 庭園と一体になって構成される建築。 | |
| 公家文化(くげぶんか) | 朝廷や貴族を中心とする文化。 | |
| 雰囲気(ふんいき) | その場や物事から感じられる空気・気分。 | |
| 遺命(いめい) | 亡くなった人が残した命令や遺言。 | |
| 禅刹(ぜんさつ) | 禅宗の寺。 | |
| 鹿苑寺(ろくおんじ) | 京都市北区にある臨済宗相国寺派の寺。金閣寺の正式名称。 | 鹿苑寺 |
| 号する(ごうする) | 名づける。称する。 | |
| 荒廃(こうはい) | 荒れすたれること。 | |
| 暗黒時代(あんこくじだい) | 文化や秩序が衰え、暗い印象を持つ時代。 | 作中では金閣の背景となる闇のイメージ |
| 象徴(しょうちょう) | ある抽象的な意味を、具体的なものによって表すこと。 | |
| 夢想(むそう) | 現実から離れて、頭の中で思い描くこと。 | |
| 闇(やみ) | 光のない暗い状態。比喩的に不安や混沌も表す。 | 金閣の美を引き立てる背景 |
| 微光(びこう) | かすかな光。 | |
| 細身(ほそみ) | 細い形をしていること。 | 金閣の柱の印象 |
| 物静か(ものしずか) | 落ち着いて静かなさま。 | |
第2章
| 語(よみ) | 意味 | 備考 |
|---|
| 愕く(おどろく) | 強い衝撃を受ける。はっとする。 | 現代表記では「驚く」が普通 |
| 感懐(かんかい) | 心に感じて思うこと。しみじみした思い。 | |
| 棺(ひつぎ/かん) | 死者を納める箱。 | |
| 内浦(うちうら) | 福井県大飯郡高浜町周辺の地名。 | |
| 浦づたい(うらづたい) | 海岸や入り江に沿って進むこと。 | |
| 梅雨入り前(つゆいりまえ) | 梅雨の季節に入る直前。 | |
| 匆々(そうそう) | あわただしいさま。急いで物事をするさま。 | |
| 柩(ひつぎ) | 遺体を入れた棺。 | |
| 荒涼(こうりょう) | 荒れ果てて、もの寂しいこと。 | |
| 焼場(やきば) | 遺体を火葬する場所。 | |
| 異様(いよう) | 普通と違っていて、変わっていること。 | |
| 適切(てきせつ) | その場や目的によく合っていること。 | 作中では「死ぬ場所がふさわしすぎる」という皮肉な感覚 |
| 檀家(だんか) | 特定の寺に所属し、葬儀や供養を頼む家。 | |
| 後見人(こうけんにん) | 後ろ盾となって世話をする人。 | |
| 委託(いたく) | 人に任せること。 | |
| 感銘(かんめい) | 深く感じて忘れられないこと。 | |
| 実演(じつえん) | 実際にやって見せること。 | |
| 過失(かしつ) | 不注意や誤りによる失敗。 | |
| 用意万端(よういばんたん) | 準備がすべて整っていること。 | |
| 雛僧(すうそう) | 年若い僧。小僧。 | |
| 熱誠(ねっせい) | 熱心で誠実な気持ち。 | |
| 職分(しょくぶん) | その職務として果たすべき役目。 | |
| 海景(かいけい) | 海の眺め。 | |
| 繁吹(しぶき) | 水などが細かく飛び散ること。 | 現代表記では「飛沫」と書くことが多い |
| 荼毘(だび) | 遺体を火葬すること。 | 仏教語 |
| 仕度(したく) | 準備。用意。 | |
| 艶やか(つややか) | 光沢があって美しいさま。 | |
| 配給(はいきゅう) | 物資を一定の割合で配ること。 | 戦時中の生活背景 |
| 募る(つのる) | 勢いが増す。激しくなる。 | |
| 焔(ほのお) | 燃え上がる火。炎。 | |
| 端麗(たんれい) | 姿や形が整っていて美しいこと。 | |
| 凝固(ぎょうこ) | 液体などが固まること。比喩的に、表情や心が固まること。 | |
| 数珠(じゅず) | 仏教で念仏や読経の際に使う珠を連ねた法具。 | |
| 遺言(ゆいごん) | 死後のために残す言葉や意思。 | |
| 徒弟(とてい) | 師について修業する者。弟子。 | |
| 得度(とくど) | 出家して僧になること。 | 溝口が鹿苑寺で僧侶としての道に入る場面 |
| 学資(がくし) | 学業に必要な費用。 | |
| 在家(ざいけ) | 出家せず、一般の生活をしながら仏教に関わる人。 | ここでは寺に住み込む書生との対比 |
| 書生(しょせい) | 学問をしながら他家に寄宿し、雑務などもする青年。 | |
| 相国寺(しょうこくじ) | 京都市上京区にある臨済宗相国寺派の大本山。 | 相国寺 |
| 大谷大学(おおたにだいがく) | 京都市北区にある仏教系大学。 | 大谷大学 |
| 塔頭(たっちゅう) | 大寺院の境内にある小寺院。 | |
| 庭詰(にわづめ) | 禅宗で、修行僧が僧堂に入る許可を待つため、玄関先で過ごすこと。 | 禅宗修行の語 |
| 旦過詰(たんがづめ) | 庭詰のあと、狭い部屋で数日坐禅して過ごすこと。 | 禅宗修行の語 |
| 入衆(にっしゅ) | 修行僧が正式に僧堂の一員として入ること。 | 禅宗修行の語 |
| 開枕(かいちん) | 禅堂生活における就寝。 | 寺の日課 |
| 衆生(しゅじょう) | 仏教で、命あるすべての存在。 | 仏教語 |
| 薬石(やくせき) | 禅寺での夕食。もとは飢えや寒さをしのぐための温石を指す。 | 寺の日課 |
| 属目(しょくもく) | 目に触れて注意を引くこと。 | |
| 起龕(きがん) | 禅宗の葬儀で、棺の前で行う儀式。 | 仏教語 |
| 幡(ばん) | 仏教儀式で用いる旗状の飾り。 | 仏教語 |
| 読経(どきょう) | 経文を読むこと。 | |
| 諷経(ふぎん) | 声を出して経文を読むこと。読経。 | 仏教語 |
| 焼香(しょうこう) | 香を焚いて仏や死者を拝むこと。 | |
| 出棺(しゅっかん) | 遺体を納めた棺を葬儀場や家から送り出すこと。 | |
| 羈絆(きはん) | 行動や心を束縛するもの。きずな。 | 父の掌への感覚と結びつく語 |
| 律儀(りちぎ) | 義理堅く、まじめなこと。 | |
| 復讐(ふくしゅう) | 恨みを晴らすために仕返しをすること。 | |
| 恕す(ゆるす) | 相手の事情を思いやって許すこと。 | 現代表記では「許す」が普通 |
| 命日(めいにち) | 人が亡くなった日にあたる日。 | |
| 手筈(てはず) | 物事を行うための段取り。 | |
| 勤労動員(きんろうどういん) | 戦時中、学生などを工場や作業に動員した制度。 | 学徒勤労動員 |
| 透明(とうめい) | すき通っていること。比喩的に、心に濁りがないこと。 | 鶴川の性格描写 |
| 単純(たんじゅん) | 複雑でないこと。裏表が少ないこと。 | 鶴川の性格描写 |
| 対面(たいめん) | 顔を合わせること。 | |
| 朋輩(ほうばい) | 同じ身分や職場にいる仲間。 | |
| 好奇心(こうきしん) | 珍しいものや未知のものにひかれる心。 | |
| 見すぼらしい(みすぼらしい) | 貧しく、みじめに見えるさま。 | |
| 誇張(こちょう) | 実際より大げさに表すこと。 | |
| 露骨(ろこつ) | 感情や意図を隠さず、むき出しにすること。 | |
| 発露(はつろ) | 心の中にあるものが外に表れること。 | |
| 肉親(にくしん) | 血のつながった家族。 | |
| 香々(こうこう) | 漬物。香の物。 | 古風な表現 |
| 鉦(かね) | 仏具・楽器の一種。金属製で打ち鳴らすもの。 | |
| 納戸(なんど) | 物置や衣類をしまう部屋。 | |
| 権利(けんり) | 物事を所有・利用・主張できる資格。 | |
| 田畑(でんぱた) | 田と畑。農地。 | |
| 療養費(りょうようひ) | 病気を治すためにかかる費用。 | |
| 皆済(かいさい) | 借金などをすべて返し終えること。 | |
| 京都近郊(きょうときんこう) | 京都の周辺地域。 | |
| 加佐郡(かさぐん) | 京都府北部にあった郡。 | 加佐郡 |
| 身を寄せる(みをよせる) | 他人の家などに世話になって暮らすこと。 | |
| 解放感(かいほうかん) | 束縛から解かれたような気持ち。 | |
| 後継ぎ(あとつぎ) | 家・仕事・地位などを受け継ぐ人。 | |
| 動顛(どうてん) | 非常に驚いてうろたえること。 | 現代表記では「動転」が普通 |
| 正視(せいし) | まっすぐに見ること。 | |
| 慈母(じぼ) | 子をいつくしむ母。 | 作中では皮肉を含む呼び方 |
| 授乳(じゅにゅう) | 乳を飲ませること。 | |
| 心象(しんしょう) | 心に浮かぶ姿やイメージ。 | |
| 卑しい(いやしい) | 下品で品位がない。欲望が露骨である。 | |
| 野心(やしん) | 身分・地位・成功などを強く望む心。 | |
| 強制力(きょうせいりょく) | 無理に従わせる力。 | |
| 後れ毛(おくれげ) | 結い上げた髪からこぼれ落ちた髪。 | |
| 薄暮(はくぼ) | 夕方の薄暗いころ。 | |
| 苔蒸す(こけむす) | 苔が生えて古びた感じになること。 | |
| 蹲踞(つくばい) | 茶庭などに置かれる、手を清めるための低い手水鉢。 | 蹲踞 |
| 蜻蛉(とんぼ) | 細長い体と透明な羽をもつ昆虫。 | トンボ |
| 堕ちる(おちる) | 落ちる。沈む。 | 夕空が水面に映る描写 |
| 無人(むじん) | 人がいないこと。 | |
第3章
| 語(よみ) | 意味 | 備考 |
|---|
| 一周忌(いっしゅうき) | 人が亡くなって満一年目の命日。また、その法要。 | 父の命日に関係 |
| 位牌(いはい) | 死者の戒名などを記した木の札。仏壇などに安置する。 | 仏教・葬送語 |
| 上洛(じょうらく) | 地方から京都へ行くこと。 | |
| 縋る(すがる) | 頼りにする。助けを求める。 | |
| 承諾(しょうだく) | 相手の申し出を受け入れること。 | |
| 故意(こい) | わざとすること。意識して行うこと。 | |
| 筆を省く(ふでをはぶく) | 文章で詳しく書くことを避ける。 | |
| 結核(けっかく) | 結核菌によって起こる感染症。肺に症状が出ることが多い。 | |
| 蚊帳(かや) | 蚊を防ぐため、寝床の周囲につるす網状の布。 | |
| 倉井(くらい) | 主人公の母に関係する男性。幼少期の記憶で登場する。 | 人物名 |
| 啼音(なきね) | 鳥や虫などの鳴く声。 | |
| 潮騒(しおさい) | 潮が満ち引きするとき、波が立てる音。 | |
| 萌黄(もえぎ) | 黄みを帯びた明るい緑色。 | |
| 尋常(じんじょう) | 普通であること。いつもと変わらないこと。 | |
| 孕む(はらむ) | 内に含む。妊娠する。 | 蚊帳が風を含む描写にも使われる |
| 漉す(こす) | 液体などを布や紙に通して、不要なものを取り除く。 | 風が蚊帳を通り抜ける描写 |
| 頽れる(すたれる) | 勢いが衰える。形が崩れる。 | |
| 稜角(りょうかく) | 角ばった部分。物の角。 | |
| 漣(さざなみ) | 水面に立つ細かな波。 | |
| 漲る(みなぎる) | 力や水などがいっぱいに満ちる。 | |
| 蹴立てる(けたてる) | 足や船などで水・土・雪などをはね上げる。 | |
| 先達(せんだつ) | 先に立って導くもの。先に現れるもの。 | |
| 余波(なごり) | 物事が終わったあとに残る影響。ここでは波のあと。 | |
| 錐(きり) | 小さな穴をあけるための先のとがった道具。 | |
| 片隅(かたすみ) | 中心から離れたすみのところ。 | |
| 衿元(えりもと) | 衣服の襟のあたり。首もと。 | |
| 盲(めくら) | 目が見えないこと。 | 現在では配慮が必要な表現 |
| 掌(てのひら) | 手の内側の面。 | |
| 地獄(じごく) | 仏教で、悪業をなした者が死後に落ちる苦しみの世界。 | 幼少期の強烈な記憶の比喩 |
| 慈悲(じひ) | 仏教で、苦しみを取り除き、楽を与えようとする心。 | 父の掌の意味づけ |
| 即座(そくざ) | その場ですぐ。 | |
| 諒解(りょうかい) | 事情や意味を理解して納得すること。 | |
| 合意(ごうい) | 互いの意思が一致すること。 | |
| 瞼(まぶた) | 目を覆う皮膚。 | |
| 遁辞(とんじ) | 言い逃れ。逃げ口上。 | 母への言葉に関係 |
| 金輪際(こんりんざい) | 絶対に。どこまでも。 | 否定語を伴うことが多い |
| 瓦解(がかい) | 組織や考えが一気に崩れること。 | |
| 虜(とりこ) | 心を奪われ、離れられなくなること。 | |
| 独身(どくしん) | 配偶者がいないこと。 | 田山道詮師の後継問題に関係 |
| 先代(せんだい) | 前の代の当主・住職など。 | |
| 住職(じゅうしょく) | 寺を管理し、代表する僧。 | 既出語だが後継問題に関係するため再掲 |
| 後継者(こうけいしゃ) | 地位や仕事を受け継ぐ人。 | 母の野心に関係 |
| 詔勅(しょうちょく) | 天皇が公に出す意思表示の文書。 | 終戦の詔勅 |
| 宮城前(きゅうじょうまえ) | 皇居前の旧称。 | 皇居外苑 |
| 京都御所(きょうとごしょ) | 京都市上京区にある旧皇居。 | 京都御所 |
| 神社仏閣(じんじゃぶっかく) | 神社と寺院。 | |
| 繁昌(はんじょう) | にぎわい栄えること。 | 現代表記では「繁盛」が一般的 |
| 敗戦(はいせん) | 戦争に敗れること。 | 溝口と金閣の関係が変わる契機 |
| 民族的悲哀(みんぞくてきひあい) | 民族全体が共有するような悲しみ。 | |
| 超絶(ちょうぜつ) | 他と比べられないほど、はるかに超えていること。 | |
| 未来永劫(みらいえいごう) | これから先、永遠に続くこと。 | |
| 調度品(ちょうどひん) | 室内に置く家具や道具。 | |
| 香炉(こうろ) | 香を焚くための器。 | 仏具 |
| 厖大(ぼうだい) | 非常に大きいこと。 | 現代表記では「膨大」が一般的 |
| 虚無(きょむ) | 何も存在しないこと。空しさ。 | |
| 空虚(くうきょ) | 中身がなく、むなしいこと。 | |
| 超脱(ちょうだつ) | 世俗や通常の価値を超えて離れること。 | |
| 堅固(けんご) | しっかりしていて容易に崩れないこと。 | |
| 慄える(ふるえる) | 恐れや寒さなどで体が小刻みに動く。 | 現代表記では「震える」が一般的 |
| 照応(しょうおう) | 互いに対応し合うこと。響き合うこと。 | |
| 屹立(きつりつ) | 高くそびえ立つこと。 | |
| 渝らぬ(かわらぬ) | 変わらない。変化しない。 | 古い表記 |
| 有為転変(ういてんぺん) | 世の中のすべてが絶えず移り変わること。 | 仏教的な無常観に関係 |
| 清浄(しょうじょう) | けがれがなく清らかなこと。 | 仏教語としても使われる |
| 小肥り(こぶとり) | 少し太っていること。 | |
| 衣摺れ(きぬずれ) | 衣服がこすれ合って出る音。 | |
| 公案(こうあん) | 禅宗で、悟りに導くために与えられる課題・問答。 | 禅宗語 |
| 無門関(むもんかん) | 禅の公案集。南宋の無門慧開が編集した。 | 無門関 |
| 南泉斬猫(なんせんざんみょう) | 禅の公案の一つ。南泉和尚が猫を斬った話。 | 南泉斬猫 |
| 碧巌録(へきがんろく) | 禅の代表的な公案集。 | 碧巌録 |
| 趙州頭戴草鞋(ちょうしゅうずたいぞうあい) | 南泉斬猫に続く公案。趙州が履を頭にのせる話。 | 禅宗語 |
| 池州南泉山(ちしゅうなんせんざん) | 中国唐代の禅僧・南泉普願に関係する地名。 | |
| 普願禅師(ふがんぜんじ) | 唐代の禅僧。南泉和尚と呼ばれる。 | 南泉普願 |
| 南泉和尚(なんせんおしょう) | 唐代の禅僧、南泉普願のこと。 | 南泉普願 |
| 閑寂(かんじゃく) | 静かで落ち着いていること。 | |
| 東西両堂(とうざいりょうどう) | 禅寺の東堂と西堂。ここでは僧たちの二つの集団。 | 禅宗語 |
| 大衆(だいしゅ) | 寺院にいる多くの僧。 | 禅宗語 |
| 斬却(ざんきゃく) | 切り捨てること。 | 禅の文脈 |
| 趙州(ちょうしゅう) | 唐代の禅僧、趙州従諗のこと。 | 趙州従諗 |
| 履(くつ) | はきもの。くつ。 | |
| 迷妄(めいもう) | 物事の道理がわからず、迷うこと。 | 仏教語 |
| 妄念妄想(もうねんもうそう) | 根拠のない迷いの思いや想像。 | 仏教語 |
| 確執(かくしつ) | 互いに自分の意見を主張して譲らないこと。 | |
| 殺人刀(せつにんとう) | 禅で、迷いを断ち切る厳しい働きをたとえる語。 | 禅宗語 |
| 活人剣(かつにんけん) | 人を生かす剣。禅では救済や悟りに導く働きのたとえ。 | 禅宗語 |
| 菩薩道(ぼさつどう) | 自他を救うために修行する菩薩の道。 | 仏教語 |
| 狐につままれる(きつねにつままれる) | 訳がわからず、ぽかんとすること。 | |
| 寸断(すんだん) | 細かく切り離すこと。 | 老師の講話が敗戦の意味を切断する感覚 |
| 血色(けっしょく) | 顔色。血の気のある色つや。 | |
| ユーモア | 人をなごませるおかしみ。 | |
| 捨離(しゃり) | 捨て去り、離れること。 | 仏教的な語感 |
| 軽蔑(けいべつ) | 相手を劣ったものとして見下すこと。 | |
| 妾(めかけ) | 妻以外で、男性が関係を持ち生活の世話をする女性。 | 老師の肉体の比喩 |
| 解放(かいほう) | 束縛や制限から自由になること。 | 敗戦の受け止め方 |
| 不変(ふへん) | 変わらないこと。 | |
| 復活(ふっかつ) | 再び戻ること。よみがえること。 | |
| 粥座(しゅくざ) | 禅寺での朝食。粥を食べる時間。 | 寺の日課 |
| 斎座(さいざ) | 禅寺での昼食。 | 寺の日課 |
| 開浴(かいよく) | 禅寺での入浴時間。 | 寺の日課 |
| 闇米(やみごめ) | 統制外で不正に売買される米。 | 戦後の食糧事情 |
| 副司(ふうす) | 禅寺で会計や庶務を担当する役僧。 | 寺の役職 |
| 甘藷(かんしょ) | サツマイモ。 | サツマイモ |
| 豪胆(ごうたん) | 度胸があり、ものに動じないこと。 | |
| 闇屋(やみや) | 統制品などを闇取引する人。 | 戦後の社会背景 |
| 居据る(いすわる) | その場に居続ける。居座る。 | |
| 生一本(きいっぽん) | 純粋でまじりけがなく、一途なこと。 | 鶴川の性格描写 |
| 搏つ(うつ) | 強く心を打つ。衝撃を与える。 | |
| 放擲(ほうてき) | 投げ捨てること。途中でやめること。 | |
| 懺悔(ざんげ) | 自分の罪や過ちを悔い、告白すること。 | 仏教語・第3章の重要語 |
| 釈明(しゃくめい) | 事情や理由を説明して誤解を解くこと。 | |
| 不問に附す(ふもんにふす) | 問題にせず、責任を追及しないこと。 | |
| 改悛(かいしゅん) | 自分の悪事を悔い改めること。 | |
| 恩着せがましい(おんきせがましい) | 相手に恩を押しつけるような態度。 | |
| 無辜(むこ) | 罪がないこと。無実。 | |
| 模倣(もほう) | まねること。 | |
| 弁疏(べんそ) | 言い訳をして自分の立場を説明すること。 | 現代表記では「弁疎」とも |
| 占領軍(せんりょうぐん) | 敗戦国などを占領している軍隊。 | 戦後の米兵の場面に関係 |
| 媚びる(こびる) | 相手の気に入るようにふるまう。 | |
| 隠微(いんび) | 表には出にくく、奥深くわかりにくいこと。 | |
| 安堵(あんど) | 安心すること。 | |
| 庫裏(くり) | 寺院で僧侶や家族が生活する建物。 | |
| つるべ | 井戸水をくむため、縄や竿につける桶。 | |
| 軋り音(きしりね) | 物がこすれてきしむ音。 | |
| 燭台(しょくだい) | ろうそくを立てる台。 | |
| 三拝(さんぱい) | 三度礼拝すること。 | 仏教儀礼 |
| 叩頭(こうとう) | 頭を地につけるようにして礼をすること。 | 仏教儀礼 |
| 妄念(もうねん) | 迷いから生じる雑念。 | 仏教語 |
| 撒き散らす(まきちらす) | あたり一面に散らす。 | |
| 整列(せいれつ) | 列を整えて並ぶこと。 | |
| 戞々(かつかつ) | 硬い物が続けて当たる音。 | 下駄の音 |
| 凝然(ぎょうぜん) | じっと動かないさま。 | |
| 経緯(けいい) | 物事のいきさつ。 | |
| 申し渡す(もうしわたす) | 上位の者が下位の者へ命令や決定を伝える。 | |
第4章
| 語(よみ) | 意味 | 備考 |
|---|
| 作務(さむ) | 禅寺で行う日常の労働。掃除・炊事などの修行の一部。 | 第3章からの流れで再掲 |
| 申し渡す(もうしわたす) | 上位の者が下位の者へ命令や決定を伝えること。 | |
| 片附く(かたづく) | 物事が終わる。決着する。 | 現代表記では「片付く」が普通 |
| 心づもり(こころづもり) | 心の中で考えている予定や見込み。 | |
| 大谷大学(おおたにだいがく) | 京都市北区にある仏教系大学。 | 大谷大学 |
| 生涯(しょうがい) | 生きている間。一生。 | |
| 曲り角(まがりかど) | 道が曲がっている角。比喩的に、人生や物事の転機。 | 大谷大学が主人公の転機として描かれる |
| 寛文(かんぶん) | 江戸時代の年号。1661年から1673年。 | 寛文 |
| 筑紫観世音寺(つくしかんぜおんじ) | 福岡県太宰府市にある寺院。 | 観世音寺 |
| 大学寮(だいがくりょう) | 古代律令制下の官吏養成機関。ここでは学校の起源説明に使われる語。 | 大学寮 |
| 枳殻邸(きこくてい) | 京都にある東本願寺の飛地境内。渉成園の通称。 | 渉成園 |
| 大谷派本願寺(おおたにはほんがんじ) | 真宗大谷派の本山である東本願寺を指す。 | 東本願寺 |
| 宗主(しゅうしゅ) | 一宗派の中心となる指導者。 | |
| 常如(じょうにょ) | 東本願寺第十五代法主。 | 常如 |
| 浪華(なにわ) | 大阪の古い呼び名。 | 難波 |
| 門徒(もんと) | 浄土真宗の信徒。 | |
| 浄財(じょうざい) | 寺社や慈善事業などに寄付する金銭。 | |
| 喜捨(きしゃ) | 寺社や貧しい人などへ、進んで金品を寄付すること。 | 仏教語 |
| 洛北(らくほく) | 京都市街の北部。 | |
| 烏丸頭(からすまがしら) | 京都の地名。現在の烏丸通周辺を指す表現。 | |
| 卜する(ぼくする) | 占う。場所などを選び定める。 | ここでは大学建設地を選ぶ意味 |
| 坪(つぼ) | 土地面積の単位。一坪は約3.3平方メートル。 | |
| 各宗各派(かくしゅうかくは) | さまざまな宗派。 | |
| 仏教哲学(ぶっきょうてつがく) | 仏教の教理を哲学的に研究する学問。 | |
| 煉瓦(れんが) | 粘土などを焼いて作る建築材料。 | |
| 電車通り(でんしゃどおり) | 路面電車などが走る通り。 | |
| グラウンド | 運動場。 | |
| 比叡山(ひえいざん) | 京都府と滋賀県の境にある山。延暦寺で知られる。 | 比叡山 |
| 馬車廻し(ばしゃまわし) | 建物の玄関前などで馬車や車を回すための広場。 | |
| 沈鬱(ちんうつ) | 気分や雰囲気が沈んで暗いこと。 | |
| 継ぎ足す(つぎたす) | 不足分を後から加えること。 | |
| 渡り廊下(わたりろうか) | 建物と建物をつなぐ廊下。 | |
| 棟(むね/とう) | 一つの建物。建物の単位。 | |
| 濃淡(のうたん) | 色の濃いことと薄いこと。 | |
| モザイク | 小片を寄せ集めて作った模様。比喩的に、入り混じった状態。 | |
| 新入生(しんにゅうせい) | 学校に新しく入った学生。 | |
| とりとめのない | まとまりがない。要点がはっきりしない。 | |
| おのがじし | それぞれに。各自で。 | 古風な表現 |
| 開拓(かいたく) | 新しく切り開くこと。ここでは新しい友人関係を作ること。 | |
| 予科(よか) | 旧制大学などで本科に進む前に置かれた課程。 | |
| 修身(しゅうしん) | 旧制学校で道徳教育を扱った科目。 | 修身 |
| 華語(かご) | 中国語。 | |
| 仏典(ぶってん) | 仏教の経典や書物。 | |
| 論理(ろんり) | 筋道立てて考えること。また、その学問。 | |
| 心宛(こころあて) | 見込み。あて。 | 現代表記では「心当て」が普通 |
| 花壇(かだん) | 花を植えるために区画した場所。 | |
| 儀式(ぎしき) | 一定の作法に従って行う行事。 | 柏木の弁当の食べ方の比喩 |
| 不味そう(まずそう) | おいしくなさそうなさま。 | |
| 厭人的(えんじんてき) | 人を嫌うようなさま。人間嫌いの傾向があるさま。 | |
| 傍ら(かたわら) | そば。近く。 | |
| 拒む(こばむ) | 受け入れない。断る。 | |
| 柏木(かしわぎ) | 大谷大学で出会う学生。両足に障碍があり、主人公に強い影響を与える人物。 | 人物名 |
| 内飜足(ないほんそく) | 足の裏が内側を向くように変形した足。 | 現代表記では「内反足」が一般的 |
| 歩行(ほこう) | 歩くこと。 | |
| 凝る(こる) | 普通以上に工夫する。熱中する。 | 柏木の歩き方の描写 |
| 蹠(あしうら) | 足の裏。 | 難字 |
| 外側(そとがわ) | 外の方。 | |
| 甲(こう) | 手足の表側。足の甲。 | |
| 地面(じめん) | 地表。地の面。 | |
| 踵(かかと) | 足の後ろの部分。 | |
| 胼胝(たこ) | 皮膚がこすれて硬く厚くなったもの。 | |
| 倨傲(きょごう) | おごり高ぶっていること。 | |
| 挑戦的(ちょうせんてき) | 相手に挑むような態度。 | |
| 差別(さべつ) | 区別して不当に扱うこと。 | 柏木が周囲から受ける視線に関係 |
| 容貌(ようぼう) | 顔立ち。顔の様子。 | |
| 醜悪(しゅうあく) | みにくく、不快に感じられること。 | |
| 怪異(かいい) | 普通ではなく、あやしいこと。 | |
| 明晰(めいせき) | はっきりしていて筋道が通っていること。 | |
| 鉛筆(えんぴつ) | 黒鉛などを芯にした筆記具。 | |
| 悪意(あくい) | 人を害しようとする気持ち。 | |
| 屈辱(くつじょく) | 恥をかかされ、面目を失うこと。 | |
| 連帯感(れんたいかん) | 互いに結びついているという感じ。 | |
| 吃音(きつおん) | 言葉がなめらかに出にくい状態。 | 主人公の吃りと関連するため再掲 |
| 障碍(しょうがい) | 活動や進行を妨げるもの。ここでは身体上・心理上の欠損意識。 | 第4章では主人公と柏木の共通点として重要 |
| 戦争(せんそう) | 国や集団同士の武力による争い。 | ここでは意識の中の精神的事件としても語られる |
| 奇怪(きかい) | 普通ではなく、非常に不思議であやしいこと。 | |
| 精神的事件(せいしんてきじけん) | 外界の事実ではなく、心の中で重大な出来事として起こること。 | 作中独自の表現 |
| 石川五右衛門(いしかわごえもん) | 安土桃山時代の盗賊として知られる伝説的人物。 | 石川五右衛門 |
| 楼上(ろうじょう) | 高い建物の上階。楼の上。 | |
| 欄干(らんかん) | 橋や廊下などの端に設ける手すり。 | |
| 満目(まんもく) | 見渡す限り。目に入るすべて。 | |
| 賞美(しょうび) | 美しいものとしてほめ味わうこと。 | |
| 山門(さんもん) | 寺院の門。特に大きな門。 | |
| 入場料(にゅうじょうりょう) | 入場するために支払う料金。 | |
| 急傾斜(きゅうけいしゃ) | 傾きが急であること。 | |
| 踊り場(おどりば) | 階段の途中にある平らな場所。 | |
| 楼上(ろうじょう) | 建物の上階。特に楼閣の上。 | |
| 穴ぐら(あなぐら) | 地面や壁に掘った暗く狭い穴。比喩的に狭く暗い場所。 | |
| 広大(こうだい) | 広く大きいこと。 | |
| 景観(けいかん) | 眺め。風景。 | |
| 身をさらす(みをさらす) | 自分の体を外気や視線などにさらすこと。 | |
| 緊張(きんちょう) | 心や体が張りつめること。 | |
| 葉桜(はざくら) | 花が散って若葉になった桜。 | |
| 家並(やなみ) | 家が並んでいる様子。 | |
| 平安神宮(へいあんじんぐう) | 京都市左京区にある神社。 | 平安神宮 |
| 嵐山(あらしやま) | 京都市西部の景勝地。 | 嵐山 |
| 貴船(きぶね) | 京都市左京区北部の地名。貴船神社で知られる。 | 貴船 |
| 箕ノ裏(みのうら) | 京都北方の山名・地名として作中に登場する語。 | |
| 金毘羅(こんぴら) | 京都北方の山名・地名として作中に登場する語。 | |
| 連山(れんざん) | 連なっている山々。 | |
| たたずまい | そこにあるものの様子。雰囲気。 | |
| 履物(はきもの) | 靴・草履など、足にはいて歩くもの。 | |
| 堂裡(どうり) | 堂の内側。堂内。 | |
| 釈迦像(しゃかぞう) | 釈迦を表した仏像。 | |
| 十六羅漢(じゅうろくらかん) | 釈迦の弟子で、仏法を守る十六人の聖者。 | 十六羅漢 |
| 五鳳楼(ごほうろう) | 南禅寺三門の楼上部分の名。 | 南禅寺の場面 |
| 南禅寺(なんぜんじ) | 京都市左京区にある臨済宗南禅寺派の大本山。 | 南禅寺 |
| 臨済宗(りんざいしゅう) | 禅宗の一派。 | 臨済宗 |
| 南禅寺派(なんぜんじは) | 臨済宗の一派。南禅寺を大本山とする。 | |
| 相国寺派(しょうこくじは) | 臨済宗の一派。相国寺を大本山とする。 | |
| 同宗異派(どうしゅういは) | 同じ宗派系統だが、所属する派が違うこと。 | |
| 狩野探幽守信(かのうたんゆうもりのぶ) | 江戸初期の狩野派の画家。 | 狩野探幽 |
| 土佐法眼徳悦(とさほうげんとくえつ) | 土佐派の絵師とされる人物。 | 作中・注釈に登場 |
| 天井画(てんじょうが) | 天井に描かれた絵。 | |
| 飛翔(ひしょう) | 空を飛ぶこと。 | |
| 天人(てんにん) | 天上界に住むとされる存在。仏教美術に多く描かれる。 | |
| 琵琶(びわ) | 弦楽器の一種。 | 琵琶 |
| 牡丹(ぼたん) | ボタン科の落葉低木。大きな花を咲かせる。 | ボタン |
| 迦陵頻伽(かりょうびんが) | 仏教で、極楽や雪山に住むとされる美声の鳥。 | 迦陵頻伽 |
| 羽搏く(はばたく) | 鳥が羽を動かして飛ぼうとする。 | 現代表記では「羽ばたく」が普通 |
| 天竺雪山(てんじくせっせん) | 古代インドの雪山。仏教世界で霊的な山として語られる。 | |
| 妙音(みょうおん) | すぐれた美しい音声。 | 迦陵頻伽の鳴き声 |
| 華麗(かれい) | はなやかで美しいこと。 | |
| 虹(にじ) | 雨上がりなどに空に現れる七色の弧。 | |
| 刑罰(けいばつ) | 罪を犯した者に科される罰。 | 南禅寺の山門からの空想に関係 |
| 血(ち) | 体内を流れる赤い液体。比喩的に生命や暴力も表す。 | |
| 毒(どく) | 生命や健康に害を及ぼすもの。比喩的に悪い影響も表す。 | |
| 溶け込む(とけこむ) | 周囲と一体になる。まじってわからなくなる。 | |
| 硝子(ガラス) | 透明で硬い物質。 | 現代表記では「ガラス」が一般的 |
| 透明度(とうめいど) | 透明である度合い。 | |
| 風光(ふうこう) | 自然の眺め。景色。 | |
| 醜い(みにくい) | 見た目や心のあり方が不快である。 | 柏木の美意識に関係 |
| 弁証法(べんしょうほう) | 対立するものの関係から物事の展開を考える方法。 | 弁証法 |
| 当てずっぽう(あてずっぽう) | 根拠なしに推測すること。 | |
| 倣う(ならう) | まねる。手本にする。 | |
| 徒(あだ) | むだ。役に立たないこと。 | |
| 揺曳(ようえい) | ゆらゆらと揺れ動くこと。余韻が残ること。 | |
| 随意(ずいい) | 思いのまま。自由に。 | |
| 吉野山(よしのやま) | 奈良県にある桜の名所。 | 吉野山 |
| 悉く(ことごとく) | すべて。残らず。 | |
| 花季(かき) | 花の咲く季節。 | |
| 亀山公園(かめやまこうえん) | 京都・嵐山にある公園。 | 亀山公園 |
| 保津川(ほづがわ) | 京都府を流れる桂川上流部の呼び名。 | 保津川 |
| 小滝(こたき) | 小さな滝。 | |
| 飛沫(ひまつ) | 水などが細かく飛び散ったもの。しぶき。 | |
| 紙屑(かみくず) | 不要になった紙のくず。 | |
| 行楽客(こうらくきゃく) | 遊びや観光に出かける人。 | |
| 稀(まれ) | めったにないこと。少ないこと。 | |
| 陰鬱(いんうつ) | 暗く沈んだ感じがすること。 | |
| 若葉(わかば) | 芽を出して間もない若い葉。 | |
| 断言(だんげん) | はっきりと言い切ること。 | |
| 防壁(ぼうへき) | 防ぐための壁。比喩的に、攻撃や接触を避けるためのもの。 | 後半で柏木が主人公を利用する文脈にもつながる |
| 詐術(さじゅつ) | 人をだますための手段。ごまかしの技術。 | 柏木の生き方を示す重要語 |
| 沃度丁幾(ヨードチンキ) | 消毒に用いられるヨウ素を含む液体。 | ヨードチンキ |
| 裾(すそ) | 衣服の下の端。 | |
| 脛(すね) | 膝から足首までの前側部分。 | |
| 崩折れる(くずおれる) | 力が抜けて、その場に倒れ込む。 | |
| 仮装(かそう) | 別の姿に見せかけること。 | |
| 種子(たね) | 植物の種。比喩的に、物事の原因やきっかけ。 | |
| 交渉(こうしょう) | 人と人とのつきあい。関係。 | ここでは柏木との関係 |
| 抗弁(こうべん) | 相手の主張に反論すること。 | |
| 相応(そうおう) | ふさわしいこと。つり合っていること。 | |
| 悔恨(かいこん) | 過去の行いを悔やむこと。 | |
| 忌む(いむ) | 嫌って避ける。 | |
| 計画を樹てる(けいかくをたてる) | 計画を立てること。 | 「樹てる」は古風な表記 |
第5章
| 語(よみ) | 意味 | 備考 |
|---|
| 伯父(おじ) | 父母の兄弟にあたる男性。 | 柏木の尺八の由来に関係 |
| 形見(かたみ) | 亡くなった人を思い出すよすがとなる品。 | |
| 尺八(しゃくはち) | 竹で作られた縦笛。禅や邦楽とも関係が深い楽器。 | 尺八 |
| 名器(めいき) | すぐれた楽器や道具。 | 柏木が形見の尺八を評する語 |
| 使い馴れた(つかいなれた) | 長く使っていて扱いに慣れていること。 | |
| 孔(あな) | 穴。尺八では音を変えるための指孔。 | |
| 流儀(りゅうぎ) | やり方。芸道などの流派。 | |
| 琴古流(きんこりゅう) | 黒沢琴古に始まる尺八の流派。都山流と並ぶ代表的な流派。 | 琴古流 |
| 教えかたがた(おしえかたがた) | 教えるついでに。教えることを兼ねて。 | |
| 唐突(とうとつ) | 突然で不自然なさま。だしぬけ。 | |
| 奇矯(ききょう) | 普通と違っていて、風変わりなこと。 | 柏木の言動の特徴 |
| 逆説(ぎゃくせつ) | 一見矛盾しているが、ある真理を含む言い方。 | |
| 気配(けはい) | 何かが起こりそうな感じ。様子。 | |
| 故ら(ことさら) | わざわざ。意図的に。 | 現代表記では「殊更」が一般的 |
| 別の側面(べつのそくめん) | これまで見えていなかった一面。 | 柏木の人物理解に関係 |
| 東北隅(とうほくぐう) | 北東のすみ。 | |
| 究竟頂(くっきょうちょう) | 金閣第三層の名称。禅宗仏殿風の層。 | 金閣の建築名 |
| 窓敷居(まどじきい) | 窓の下部にある横木。 | |
| 氷河(ひょうが) | 雪や氷が長い年月で固まり、ゆっくり流れる巨大な氷の塊。 | |
| 天竺様(てんじくよう) | 鎌倉初期に中国宋代の建築様式を取り入れた仏寺建築様式。大仏様ともいう。 | 大仏様 |
| 挿肘木(さしひじき) | 柱に差し込んで軒などを支える肘木。天竺様建築に特徴的。 | 建築語 |
| 木鼻(きばな) | 柱や梁などの端部に突き出た装飾部分。 | 木鼻 |
| 極彩色(ごくさいしき) | 非常に鮮やかな色彩。 | |
| 茫乎(ぼうこ) | ぼんやりしてはっきりしないさま。 | |
| 禅籍(ぜんせき) | 禅に関する書物。 | 仏教語 |
| 無趣味(むしゅみ) | 味わいや面白みに乏しいこと。 | |
| 野太い(のぶとい) | 音や声が太く低く力強いこと。 | 尺八の音 |
| 啼声(なきごえ) | 鳥や虫などの鳴く声。 | |
| 声音(こわね) | 声の調子。声色。 | |
| 金銅(こんどう) | 銅に金めっきを施したもの。 | 金閣の鳳凰に関係 |
| 鳳凰(ほうおう) | 中国由来の想像上の霊鳥。吉祥の象徴。 | 鳳凰 |
| 独習本(どくしゅうぼん) | 独学で学ぶための本。 | |
| 上達(じょうたつ) | 技術が上手になること。 | |
| 親交(しんこう) | 親しい交わり。 | |
| 旧に復する(きゅうにふくする) | 以前の状態に戻ること。 | |
| 尺八の礼(しゃくはちのれい) | 尺八をもらったことへのお返し。 | 柏木の要求のきっかけ |
| 活け花(いけばな) | 花や枝を器に生けて形を整える芸術。 | 華道 |
| 花ざかり(はなざかり) | 花が盛んに咲いている時期。 | |
| 杜若(かきつばた) | アヤメ科の多年草。水辺に紫色の花を咲かせる。 | カキツバタ |
| あやめ | アヤメ科の多年草。紫色などの花を咲かせる。 | アヤメ |
| 蕾(つぼみ) | まだ開いていない花。 | |
| 木賊(とくさ) | トクサ科の常緑性シダ植物。茎が硬く、古くは物を磨くのにも用いられた。 | トクサ |
| 示唆(しさ) | それとなく知らせること。暗にほのめかすこと。 | |
| 体面(たいめん) | 世間や相手に対する面目。 | |
| 花盗人(はなぬすびと) | 花を盗む人。古くは風流な軽い罪としても扱われる表現。 | ここでは柏木にそそのかされた盗み |
| 薬石(やくせき) | 禅寺での夕食。 | 既出だが第5章の寺の日課として再登場 |
| 粉食(ふんしょく) | 米ではなく小麦粉などを主とする食事。 | 戦後の食糧事情 |
| 煮附(につけ) | 煮て味をつけた料理。 | 現代表記では「煮付け」が普通 |
| 除策(じょさく) | 坐禅時に警策を使わないこと。転じて坐禅を組まない扱い。 | 禅寺の日課 |
| 内開枕(ないかいちん) | 寺内で早く寝てもよい日課上の扱い。 | 禅寺の日課 |
| 寝忘れ(ねわすれ) | 朝の起床を遅くしてよい扱い。 | 寺の日課 |
| 謂う(いう) | 言う。称する。 | 古風な表記 |
| 初夜(しょや) | 禅寺などで夜の初めの時刻。 | 初夜の鐘に関係 |
| 黄鐘調(おうじきちょう) | 雅楽の六調子の一つ。黄鐘を主音とする旋律。 | 雅楽 |
| 余韻(よいん) | 音や印象が消えたあとも残る響き。 | |
| 明澄(めいちょう) | 明るく澄んでいること。 | |
| 音色(ねいろ) | 音の性質や響き。 | |
| 初夜の十八声(しょやのじゅうはっせい) | 午後八時に鳴らされる十八の鐘。 | 寺の日課 |
| 漱清(そうせい) | 金閣の釣殿の名。 | 既出だが位置説明に関係 |
| 蓮沼(はすぬま) | 蓮の生えている沼。 | |
| 鏡湖池(きょうこち) | 鹿苑寺の庭園にある池。金閣がのぞむ池。 | 鏡湖池 |
| 滝口(たきぐち) | 滝の水が落ちるところ。 | |
| 柵(しがらみ) | 水流をせき止めるために杭などを組んだもの。しがらみ。 | |
| 群生(ぐんせい) | 植物が一か所に群がって生えること。 | |
| 草叢(くさむら) | 草が群がって生えているところ。 | |
| 弁(べん) | 花びら。花弁。 | |
| わななく | 震える。ふるえる。 | 花の描写 |
| 下宿(げしゅく) | 部屋を借りて住むこと。また、その家。 | 柏木の住まい |
| 快活(かいかつ) | 明るく元気がよいこと。 | 小さな盗みの後の心理 |
| おきまりの | いつも決まっているさま。ありきたりなさま。 | |
| 臨済録(りんざいろく) | 臨済義玄の法語をまとめた禅宗の重要書。 | 臨済録 |
| 示衆(じしゅ) | 禅で、師が修行僧に教えを示すこと。 | 禅宗語 |
| 羅漢(らかん) | 仏教の修行者の最高段階の一つ。 | 羅漢 |
| 孤独(こどく) | ひとりで、頼るものがないこと。 | 柏木が語る認識 |
| 観照(かんしょう) | 主観を交えず、静かに対象を見つめること。 | |
| 享楽(きょうらく) | 快楽を味わい楽しむこと。 | |
| 享楽家(きょうらくか) | 快楽を重んじ、それを求める人。 | |
| 貸し借り(かしかり) | 貸すことと借りること。金銭や物のやり取り。 | |
| 早急(さっきゅう) | 非常に急ぐこと。 | |
| 再度(さいど) | もう一度。ふたたび。 | |
| 覚悟(かくご) | 困難や結果を受け入れる心構え。 | |
| 哲学的(てつがくてき) | 物事の根本を考えるようなさま。 | 柏木の語り口 |
| 軽侮(けいぶ) | 軽く見てあなどること。 | |
| 嘲笑(ちょうしょう) | あざけり笑うこと。 | 既出だが柏木との会話で再掲 |
| 親眷(しんけん) | 身内。親族。 | 注釈語 |
| 雁行(がんこう) | 雁が飛ぶように斜めに並ぶこと。 | 注釈語 |
| 白博多(しろはかた) | 白い博多織。 | 博多織 |
| 板唐戸(いたからど) | 框のない板扉。板を並べた唐戸。 | 建築語 |
| 唐門(からもん) | 唐破風造の屋根をもつ門。 | 唐門 |
| 耳門(くぐり) | 大きな門の脇に設けられた小さな通用口。 | 寺の門の表現 |
| 錘(おもり) | 重さを利用して動きを調整するもの。 | |
| 鉄鎖(てっさ) | 鉄でできた鎖。 | |
| 寐る(やすむ) | 眠る。休む。 | 古い表記 |
| 帰山者(きざんしゃ) | 寺へ帰ってきた者。 | 禅寺の生活語 |
| 内規(ないき) | 組織内部で決められた規則。 | |
| 作事場(さじば) | 建築や修理作業をする場所。 | |
| 五米(ごメートル) | 五メートル。 | 旧字混じりの表記 |
| 大鋸屑(おがくず) | 木材を鋸で切ったときに出る細かな屑。 | |
| 車井戸(くるまいど) | 滑車などを用いて水をくむ井戸。 | |
| 庫裡(くり) | 寺院で僧侶や家族が生活する建物。 | 既出だが場所説明で再掲 |
| 辿る(たどる) | 道筋を追って進む。 | |
| 身じろぎ(みじろぎ) | 体を少し動かすこと。 | |
| 護衛(ごえい) | 守ること。また、守る人。 | 夜の金閣の比喩 |
| 人間的法則(にんげんてきほうそく) | 人間に属する通常の制約や規則。 | 金閣の非人間性を表す語 |
| 免れる(まぬかれる) | 避ける。逃れる。 | |
| 呪詛(じゅそ) | 相手に災いが起こるように呪うこと。 | 金閣への呼びかけ |
| 荒々しい(あらあらしい) | 乱暴で激しいさま。 | |
第6章
| 語(よみ) | 意味 | 備考 |
|---|
| 昭和二十五年(しょうわにじゅうごねん) | 1950年。戦後の社会不安が残る時期。 | 第6章の時代背景 |
| 不安(ふあん) | 安心できず、落ち着かないこと。 | 第6章では社会全体と主人公の心理の両方に関係 |
| 蒙る(こうむる) | 被害や恩恵などを受ける。 | 火災の被害を受ける文脈 |
| 永享(えいきょう) | 室町時代の年号。1429年から1441年。 | 永享 |
| 明徳(めいとく) | 室町時代の年号。1390年から1394年。 | 明徳 |
| 元亀(げんき) | 戦国時代の年号。1570年から1573年。 | 元亀 |
| 天文(てんぶん) | 戦国時代の年号。1532年から1555年。 | 天文 |
| 建長(けんちょう) | 鎌倉時代の年号。1249年から1256年。 | 建長 |
| 天正(てんしょう) | 安土桃山時代の年号。1573年から1592年。 | 天正 |
| 知恩院(ちおんいん) | 京都市東山区にある浄土宗の総本山。 | 知恩院 |
| 南禅寺(なんぜんじ) | 京都市左京区にある臨済宗南禅寺派の大本山。 | 南禅寺 |
| 延暦寺(えんりゃくじ) | 滋賀県大津市の比叡山にある天台宗の総本山。 | 延暦寺 |
| 建仁寺(けんにんじ) | 京都市東山区にある臨済宗建仁寺派の大本山。 | 建仁寺 |
| 三十三間堂(さんじゅうさんげんどう) | 京都市東山区にある蓮華王院本堂の通称。 | 三十三間堂 |
| 本能寺(ほんのうじ) | 京都市中京区にある法華宗本門流の寺。 | 本能寺 |
| 仏殿(ぶつでん) | 仏像を安置する建物。 | 寺院建築 |
| 法堂(はっとう) | 禅寺で住職が法を説く堂。 | 禅寺建築 |
| 金剛殿(こんごうでん) | 寺院内の建物名。金剛の語は仏教で堅固なものを表す。 | 南禅寺の火災説明 |
| 大雲庵(だいうんあん) | 南禅寺に関係する塔頭・建物名として登場する語。 | 固有名 |
| 灰燼に帰す(かいじんにきす) | すっかり焼けて灰になる。 | |
| 兵火(へいか) | 戦争によって起こる火災。 | |
| 焼亡(しょうぼう) | 焼けてなくなること。 | |
| 炎上(えんじょう) | 火が燃え上がること。建物が焼けること。 | |
| 失火(しっか) | 過失によって火事を起こすこと。 | |
| 類火(るいか) | 他から燃え移った火事。 | |
| 放火(ほうか) | 故意に火をつけること。 | 第6章の主題に近づく語 |
| 火勢(かせい) | 火の燃え広がる勢い。 | |
| 細分(さいぶん) | 細かく分けること。 | 火の性質の説明 |
| 糾合(きゅうごう) | 人や力を呼び集めること。 | 火が別の火を呼ぶ比喩 |
| 蜂起(ほうき) | 大勢が一斉に立ち上がること。 | 火が起こる比喩 |
| 仕遂げる(しとげる) | 物事を最後までやり遂げる。 | |
| 滅亡(めつぼう) | 滅びてなくなること。 | |
| 否定(ひてい) | 認めないこと。打ち消すこと。 | 滅亡と対になって使われる |
| 常態(じょうたい) | 普通の状態。いつもの状態。 | |
| 厳密(げんみつ) | 細かい点まで正確で厳しいこと。 | |
| 諸力(しょりょく) | さまざまな力。 | 火の力の総称 |
| 図書館(としょかん) | 図書を収集・保管し、閲覧できる施設。 | 大学生活の場面 |
| 講義(こうぎ) | 大学などで学問内容を説明する授業。 | |
| 怠ける(なまける) | すべきことをしないで済ませる。 | |
| 柏木(かしわぎ) | 大谷大学で出会った友人。第6章では女性との関係を語り、主人公を巻き込む。 | 人物名 |
| 駈ける(かける) | 走る。 | 現代表記では「駆ける」が一般的 |
| 内飜足(ないほんそく) | 足の裏が内側を向くように変形した足。 | 第6章では柏木の恋愛観と結びつく |
| 立止る(たちどまる) | 歩くのをやめてその場にとどまる。 | 現代表記では「立ち止まる」が普通 |
| 息を切らす(いきをきらす) | 激しく動いて呼吸が苦しくなる。 | |
| バラック | 急ごしらえの粗末な建物。仮設建物。 | 戦後の大学風景 |
| 石塀(いしべい) | 石で造った塀。 | |
| 荒地野菊(あれちのぎく) | キク科の植物。荒れ地などに生える。 | アレチノギク |
| 紙屑(かみくず) | 不要になった紙のくず。 | 既出だが場面描写として再登場 |
| 空罎(あきびん) | 中身の入っていない瓶。 | 現代表記では「空瓶」が普通 |
| 忍び込む(しのびこむ) | 人目を避けてこっそり入る。 | |
| キャッチボール | 二人以上でボールを投げ合う遊び。 | |
| 見透かす(みすかす) | 相手の考えや本心を見抜く。 | |
| 気取る(けどる) | 気配から察する。 | 現代表記では「気取る」は「きどる」とも読むため注意 |
| 軽快(けいかい) | 動きが軽やかで快いこと。 | |
| 無縁(むえん) | 関係がないこと。仏教では縁がないこと。 | |
| 独断(どくだん) | 自分だけの判断で決めること。 | 柏木の語り口 |
| 血なまぐさい(ちなまぐさい) | 血のにおいがする。転じて残酷で暴力的なさま。 | |
| 童貞(どうてい) | 性経験がないこと。 | 柏木の遍歴話に関係 |
| 遍歴(へんれき) | 各地を巡り歩くこと。経験を重ねること。 | 柏木の女性経験を指す |
| 暗示(あんじ) | はっきり言わず、それとなく示すこと。 | |
| 悪趣味(あくしゅみ) | 品が悪い好み。変わった趣味。 | 柏木の女性観 |
| 飛切り(とびきり) | 特別にすぐれていること。非常に。 | |
| 尖る(とがる) | 先が細く鋭くなる。 | |
| 屋敷町(やしきまち) | 大きな邸宅が並ぶ町。 | |
| 宏壮(こうそう) | 建物などが大きく立派なこと。 | |
| スペイン風(スペインふう) | スペインの建築・装飾を思わせる様式。 | 洋館の描写 |
| 邸(やしき) | 大きな家。屋敷。 | |
| 耳門(くぐり) | 大きな門の脇にある小さな通用口。 | 第5章にも出た建築語 |
| 煙出し(けむだし) | 屋根などに設ける煙を出す部分。 | |
| 斜め格子(ななめごうし) | 斜めに組んだ格子。 | |
| 硝子窓(ガラスまど) | ガラスをはめた窓。 | |
| 温室(おんしつ) | 植物を育てるため、温度を保つ建物。 | |
| 硝子屋根(ガラスやね) | ガラスでできた屋根。 | |
| 金網(かなあみ) | 針金などを編んだ網。ネット。 | |
| 遊動円木(ゆうどうえんぼく) | 丸太を吊るして揺れるようにした遊具。 | |
| 窺う(うかがう) | 様子を見る。そっとのぞく。 | |
| 愕き(おどろき) | 強い衝撃を受けること。 | 現代表記では「驚き」が普通 |
| 莫迦らしい(ばからしい) | くだらない。愚かに思える。 | 現代表記では「馬鹿らしい」が普通 |
| 待ち設ける(まちもうける) | 来るのを予想して待つ。 | |
| 遍満(へんまん) | 一面に満ち広がること。 | 日光の描写 |
| 濃紺(のうこん) | 濃い紺色。 | |
| 比叡の峯(ひえいのみね) | 比叡山の峰。 | 比叡山 |
| 鼻梁(びりょう) | 鼻すじ。 | 既出だが女性描写で再登場 |
| 妥協(だきょう) | 互いに譲り合って折り合うこと。 | |
| 屈服(くっぷく) | 相手に従うこと。負けて従うこと。 | |
| 卑屈(ひくつ) | 必要以上に自分を低く見ること。 | |
| 矜持(きょうじ) | 自分の価値を信じて保つ誇り。 | |
| 薄情者(はくじょうもの) | 人情や思いやりのない人。 | 柏木の叫び |
| 谺(こだま) | 山や建物に反響して返る音。 | |
| 慄える(ふるえる) | 恐怖や寒さなどで体が震える。 | 現代表記では「震える」が一般的 |
| 血の気を失う(ちのけをうしなう) | 恐怖や驚きで顔色が青ざめる。 | |
| 扶け起す(たすけおこす) | 倒れている人を助けて起こす。 | 現代表記では「助け起こす」が普通 |
| 烏丸車庫前(からすましゃこまえ) | 京都市電の停留所名として登場する地名。 | 交通・地名 |
| 停留所(ていりゅうじょ) | 電車やバスが停まる場所。 | |
| 掌(てのひら) | 手の内側。 | 既出だが緊張の描写として再登場 |
| 擁する(ようする) | 抱える。かかえる。 | 柏木を支える動作 |
| 放置(ほうち) | そのままにしておくこと。 | |
| 裕り(ゆとり) | 余裕。ゆとり。 | 古い表記 |
| 深閑(しんかん) | 静まりかえっているさま。 | |
| 家並(やなみ) | 家が立ち並ぶ様子。 | |
| 梅鉢(うめばち) | 梅の花をかたどった家紋。 | 梅鉢 |
| 定紋(じょうもん) | 家や団体などで正式に用いる紋。 | |
| 提灯(ちょうちん) | 紙や布を張った灯火具。 | 提灯 |
| 幔幕(まんまく) | 式場や祭礼などで張りめぐらす幕。 | |
| 天理教弘徳分教会(てんりきょうこうとくぶんきょうかい) | 作中で通り過ぎる宗教施設名。 | 固有名 |
| 天理教(てんりきょう) | 中山みきを教祖とする日本の宗教。 | 天理教 |
| 紫野(むらさきの) | 京都市北区付近の地名。 | 紫野 |
| 志す(こころざす) | ある目的に向かう。目指す。 | |
| 観光季節(かんこうきせつ) | 観光客が多く訪れる季節。 | |
| 人ごみ(ひとごみ) | 多くの人が集まって混雑している状態。 | |
| 訝しい(いぶかしい) | 不審に思われる。疑わしい。 | |
| 埃(ほこり) | 細かな土やごみが空中に舞うもの。 | |
| 群衆(ぐんしゅう) | 多くの人の集まり。 | |
| 凋落(ちょうらく) | 花や葉がしぼみ落ちること。転じて、衰えること。 | 春の金閣の印象 |
| 燦爛(さんらん) | きらびやかに輝くさま。 | |
| 顕現(けんげん) | はっきりと姿を現すこと。 | |
| 幻影(げんえい) | 実体のない姿。まぼろし。 | |
| 救済(きゅうさい) | 苦しみから救うこと。 | 金閣に求めるもの |
| 審判(しんぱん) | 正邪や価値を判断すること。 | 金閣を裁くものとして感じる心理 |
| 拒絶(きょぜつ) | 受け入れず、はねつけること。 | 金閣と主人公の関係 |
| 醜悪(しゅうあく) | みにくく、不快なこと。 | 既出だが群衆・自己意識に関係 |
| 孤立(こりつ) | 他から切り離され、ひとりであること。 | |
| 焦慮(しょうりょ) | あせり、思い悩むこと。 | |
| 動揺(どうよう) | 心が揺れ動くこと。 | |
| 予感(よかん) | 何かが起こりそうだと前もって感じること。 | 第6章後半の火のイメージへつながる |
第7章
| 語(よみ) | 意味 | 備考 |
|---|
| 目論見(もくろみ) | 計画。たくらみ。 | 老師へ写真を見せる行動に関係 |
| 祇園(ぎおん) | 京都市東山区の歓楽街・花街。 | 祇園 |
| 娼家(しょうか) | 娼婦を置いて客を取らせる家。 | 写真の店に関係 |
| 娼婦(しょうふ) | 客から金銭を得て性的サービスをする女性。 | 第7章では写真として老師への挑発に使われる |
| 陳列(ちんれつ) | 品物などを並べて見せること。 | |
| 白粉(おしろい) | 顔や肌を白く見せるための化粧品。 | |
| 臙脂(べに) | 紅色の顔料。口紅や頬紅の色。 | |
| 仮面(かめん) | 顔を覆う面。比喩的に、本心を隠す表情。 | |
| 濃淡(のうたん) | 濃いことと薄いこと。微妙な違い。 | 女たちの写真の違い |
| 躍如(やくじょ) | 生き生きと目の前に現れるさま。 | |
| 光沢紙(こうたくし) | 表面につやのある写真・印刷用の紙。 | |
| 銹朱(さびしゅ) | くすんだ赤茶色。錆びた朱色。 | 女のコートの色 |
| 大胆(だいたん) | 思い切って物事をすること。 | |
| 打って変わる(うってかわる) | 以前とまったく違う状態になる。 | |
| 陽気(ようき) | 明るく浮き立つ気分。 | |
| 昂揚(こうよう) | 気分や精神が高まること。 | |
| 仕業(しわざ) | した行い。多く悪い意味で使う。 | |
| 朝刊(ちょうかん) | 朝に発行される新聞。 | |
| 懐(ふところ) | 衣服の胸元の内側。 | |
| 前庭(ぜんてい) | 建物の前にある庭。 | |
| 車廻し(くるままわし) | 玄関前などで車を回すための場所。 | |
| 生垣(いけがき) | 木を植え並べて作る垣根。 | |
| 蘇鉄(そてつ) | ソテツ科の常緑低木。庭木としても用いられる。 | ソテツ |
| 旭(あさひ) | 朝の太陽。朝日。 | |
| 隈取る(くまどる) | 輪郭や陰影をはっきりつける。 | |
| とり立てる(とりたてる) | 特に取り上げる。特別扱いする。 | |
| 戦慄(せんりつ) | 恐ろしさなどで身震いすること。 | |
| 迸る(ほとばしる) | 勢いよく噴き出す。感情が一気にあふれる。 | |
| 鋏(はさみ) | 物を切るための道具。 | |
| 切り刻む(きりきざむ) | 細かく切る。 | |
| 二重(にじゅう) | 二つ重なること。 | |
| ほとり | 近く。そば。水辺。 | 金閣の近く |
| 洗浄(せんじょう) | 洗い清めること。 | 写真を処分する心理に関係 |
| 池水(ちすい) | 池の水。 | |
| 投げ込む(なげこむ) | 物を投げて中へ入れる。 | |
| 不発(ふはつ) | 爆発しないこと。転じて、期待した効果が出ないこと。 | 写真による挑発が効かない感覚 |
| 無効(むこう) | 効き目がないこと。 | 老師が写真を返したことの意味 |
| 結着(けっちゃく) | 物事の決着がつくこと。 | |
| 不問に附す(ふもんにふす) | 問題にせず、責任を追及しないこと。 | 第3章から継続する処理のされ方 |
| 一葉(いちよう) | 紙や写真など一枚。 | 一葉の写真 |
| 人目を忍ぶ(ひとめをしのぶ) | 人に見られないようにする。 | |
| 忍び足(しのびあし) | 音を立てないように静かに歩くこと。 | |
| 卑しい(いやしい) | 品位がなく、下劣である。 | 老師の行動を想像する文脈 |
| 恰好(かっこう) | 姿。様子。 | |
| 憎悪(ぞうお) | 強く憎むこと。 | |
| 得体の知れない(えたいのしれない) | 正体がわからず、不気味なこと。 | |
| 作業(さぎょう) | 目的をもって行う仕事。 | 写真を切り刻む行為を指す |
| 大喝(だいかつ) | 禅で、強く一喝すること。大声で叱ること。 | 老師の叱責を期待する場面 |
| 殴打(おうだ) | なぐること。 | |
| 蹴倒す(けたおす) | 蹴って倒すこと。 | |
| 荒廃(こうはい) | 荒れ果てること。心がすさんだ状態。 | 学校へ行く朝の心理 |
| 黴臭い(かびくさい) | かびのにおいがする。古く湿った感じがする。 | 寺の生活の印象 |
| 永遠性(えいえんせい) | 永遠に続くような性質。 | 寺の変化しない生活 |
| 差異(さい) | 違い。差。 | |
| 懸隔(けんかく) | 大きな隔たり。 | |
| 教典講義(きょうてんこうぎ) | 仏教の教典についての講義。 | |
| 無門関(むもんかん) | 禅の公案集。 | 無門関 |
| 問責(もんせき) | 責任を問いただすこと。 | |
| 男性的(だんせいてき) | 男らしいとされる性質を持つこと。 | 主人公が老師に期待する態度 |
| 美徳(びとく) | よい徳。望ましい性質。 | |
| 偽善(ぎぜん) | 本心ではない善良さを装うこと。 | |
| 行状(ぎょうじょう) | ふだんの行いや身持ち。 | |
| 告白(こくはく) | 隠していた事実や心情を打ち明けること。 | |
| 卑劣(ひれつ) | 心や行いが卑しく、正々堂々としていないこと。 | |
| 僧堂(そうどう) | 禅寺で修行僧が生活・坐禅する堂。 | |
| 得々(とくとく) | 得意そうなさま。 | |
| 促す(うながす) | 物事をするように求める。 | |
| 拍子抜け(ひょうしぬけ) | 期待や緊張が外れて気が抜けること。 | |
| 失望(しつぼう) | 期待が外れてがっかりすること。 | |
| 謝る(あやまる) | 自分の非を認めて許しを請う。 | |
| 抽斗(ひきだし) | 机などに付いている引き出し。 | |
| 包み紙(つつみがみ) | 物を包む紙。 | |
| 並々ならぬ(なみなみならぬ) | 普通ではない。非常に大きい。 | |
| 思い煩い(おもいわずらい) | あれこれ悩み苦しむこと。 | |
| 犯罪(はんざい) | 法律に反する行為。 | 老師の忍び足を主人公が犯罪のように想像する |
| 辞する(じする) | 退出する。別れを告げる。 | |
| 痛切(つうせつ) | 身にしみて強く感じること。 | |
| 風呂敷(ふろしき) | 物を包んで運ぶための四角い布。 | 風呂敷 |
| 仏教辞典(ぶっきょうじてん) | 仏教用語を解説した辞典。 | |
| 鞄(かばん) | 物を入れて持ち運ぶ袋・ケース。 | |
| 出発(しゅっぱつ) | 出かけること。新しい行動を始めること。 | 寺から離れる決意 |
| 借金(しゃっきん) | 金を借りること。また借りた金。 | |
| 申し込む(もうしこむ) | 希望や要求を正式に伝える。 | |
| 足し(たし) | 不足を補うもの。 | |
| 哲学的爽快さ(てつがくてきそうかいさ) | 柏木が逆説を述べるときに見せる、理屈で澄み切ったような快さ。 | 作中独自の表現 |
| 拭い去る(ぬぐいさる) | 完全に消し去る。 | |
| ハムレット | シェイクスピア作の悲劇。 | ハムレット |
| レイアティーズ | 『ハムレット』の登場人物。ポローニアスの息子。 | レイアティーズ |
| 忠告(ちゅうこく) | 相手のために注意や助言をすること。 | |
| 掻き集める(かきあつめる) | あちこちから苦労して集める。 | |
| 遣口(やりくち) | 物事のやり方。手口。 | |
| 差控える(さしひかえる) | やめておく。遠慮する。 | |
| 字引(じびき) | 辞書。 | 仏教辞典を指す |
| 処分(しょぶん) | 物を売る・捨てるなどして片づけること。 | |
| 忽ち(たちまち) | すぐに。あっという間に。 | |
| 踵を返す(きびすをかえす) | 向きを変えて引き返す。 | |
| 歩度(ほど) | 歩く速さ。 | |
| 骨董屋(こっとうや) | 古美術品や古道具を扱う店。 | 骨董品 |
| 古本屋(ふるほんや) | 古本を売買する店。 | |
| 一旦(いったん) | 一度。ひとまず。 | |
| 帰属(きぞく) | ある人や団体の所有・所属になること。 | |
| 貸金(かしきん) | 貸した金。 | |
| 返却(へんきゃく) | 借りたものを返すこと。 | |
| 利子(りし) | 借りた金に対して支払う追加の金。 | |
| 光クラブ(ひかりクラブ) | 戦後に高利貸しで知られた金融会社。 | 光クラブ事件 |
| 高利(こうり) | 高い利息。 | |
| 恩恵的(おんけいてき) | 恵みを与えるようなさま。 | 柏木の皮肉 |
| 半紙(はんし) | 書道などに用いる和紙。 | |
| 硯箱(すずりばこ) | 硯や筆などを入れる箱。 | 硯箱 |
| 借用証(しゃくようしょう) | 金品を借りた事実を証明する書類。 | |
| 拇印(ぼいん) | 親指に朱肉などをつけて押す印。 | |
| 拇指(ぼし) | 親指。 | |
| 印肉(いんにく) | 印を押すための朱肉。 | |
| 捺す(おす) | 印などを押す。 | 現代表記では「押す」が普通 |
| 船岡公園前(ふなおかこうえんまえ) | 京都市北区の船岡山公園付近を指す停留所名。 | |
| 船岡山(ふなおかやま) | 京都市北区にある小高い丘。船岡山公園がある。 | 船岡山 |
| 建勲神社(たけいさおじんじゃ/けんくんじんじゃ) | 京都市北区にある織田信長を祀る神社。 | 建勲神社 |
| 迂回(うかい) | 遠回りすること。 | |
| 石段(いしだん) | 石で作られた階段。 | |
| 陸舟松(りくしゅうまつ) | 鹿苑寺にある舟形の松。 | 固有名 |
| 舳(へさき) | 船の先端。 | 陸舟松の比喩 |
| 立ちすくむ(たちすくむ) | 恐れや驚きで動けなくなる。 | |
| 座蒲団(ざぶとん) | 座るときに敷く布団。 | |
| 横坐り(よこずわり) | 足を横に崩して座ること。 | |
| 緞帳(どんちょう) | 劇場などで舞台を隠す厚い幕。 | 雨音の比喩 |
| 濡縁(ぬれえん) | 雨戸の外側などにある、雨に濡れる縁側。 | |
| 雨滴(うてき) | 雨のしずく。 | |
| 自業自得(じごうじとく) | 自分の行いの結果を自分で受けること。 | 仏教由来の語 |
| 封筒(ふうとう) | 手紙や紙幣などを入れる袋。 | |
| 札(さつ) | 紙幣。 | |
| 千円札(せんえんさつ) | 千円の紙幣。 | |
| 潔癖(けっぺき) | 不潔や不正をひどく嫌うこと。 | 老師の性格描写 |
| 副司(ふうす) | 禅寺で会計や庶務を担当する役僧。 | 寺の役職 |
| 小銭(こぜに) | 少額の硬貨。 | |
| 弁解(べんかい) | 自分の立場を説明して言い訳すること。 | |
| 渋い(しぶい) | 金を出し惜しむさま。 | 柏木が老師を評する語 |
| 神妙(しんみょう) | おとなしく、かしこまっているさま。 | |
| 純潔(じゅんけつ) | けがれがないこと。 | 柏木の悪の表情の逆説的描写 |
| 裕り(ゆとり) | 余裕。ゆとり。 | 古い表記 |
| 憚る(はばかる) | 遠慮する。差し控える。 | |
| 退る(さがる) | 退出する。下がる。 | |
| 見捨てる(みすてる) | 助けずに見放す。 | 老師との対話の中心 |
| 別事(べつじ) | 別の事柄。 | |
| 現世(げんせ) | この世。現在生きている世界。 | 仏教語としても使う |
| 侮蔑(ぶべつ) | 見下してばかにすること。 | |
| 屍(しかばね) | 死体。 | |
| 嫌悪(けんお) | 強くいやだと思うこと。 | |
| 三千円(さんぜんえん) | 当時としては大きな金額。 | 家出・出発資金 |
| 申込む(もうしこむ) | 希望や依頼を相手に伝える。 | |
第8章
| 語(よみ) | 意味 | 備考 |
|---|
| 社務所(しゃむしょ) | 神社で事務を扱う建物。おみくじや御守りなども扱う。 | |
| 玄関(げんかん) | 建物の出入り口。 | |
| 案内を乞う(あんないをこう) | 訪問先で、取り次ぎや応対を求めること。 | |
| 前掛(まえかけ) | 衣服の前を覆う布。エプロン。 | |
| 執拗(しつよう) | しつこいこと。容易にやめないこと。 | |
| 規定(きてい) | あらかじめ定められた決まり。 | |
| 濡縁(ぬれえん) | 雨戸の外側などにある、雨に濡れる縁側。 | |
| 小抽斗(こひきだし) | 小さな引き出し。 | |
| 環(かん) | 輪の形をした金具。 | |
| 第十四番 凶(だいじゅうよんばん きょう) | おみくじの番号と運勢。凶は悪い運勢を示す。 | 旅の方向を決める契機 |
| 汝有此間者遂為八十神所滅(いましここにあらばついにやそかみにほろぼされなむと) | 古事記の大国主命の物語に由来する文。ここにいれば八十神に滅ぼされる、という意味。 | おみくじの文句 |
| 八十神(やそがみ) | 大国主命を迫害する多くの兄弟神。 | 八十神 |
| 大国主命(おおくにぬしのみこと) | 日本神話に登場する神。出雲の主神。 | 大国主 |
| 御祖神(みおやのかみ) | 祖先の神。親神。 | おみくじの文句 |
| 退去(たいきょ) | その場所から立ち去ること。 | |
| 兆(きざし) | 物事が起こる前ぶれ。 | |
| 不如意(ふにょい) | 思いどおりにならないこと。 | |
| 前途(ぜんと) | これから先の道のり。将来。 | |
| 西北(せいほく) | 西と北の中間の方角。 | おみくじでは旅行に悪い方角 |
| 敦賀(つるが) | 福井県南西部の市。日本海側の港町。 | 敦賀市 |
| 京都駅(きょうとえき) | 京都市下京区にある主要駅。 | 京都駅 |
| 訝る(いぶかる) | 不審に思う。疑わしく思う。 | |
| かわたれどき | 夜明け方の薄暗いころ。誰か判別しにくい時間帯。 | |
| 雑巾掛け(ぞうきんがけ) | 雑巾で床などを拭くこと。 | |
| 神隠し(かみかくし) | 人が突然姿を消すこと。昔は神や物の怪のしわざと考えられた。 | 神隠し |
| 目論見(もくろみ) | 計画。たくらみ。 | 第7章から継続する語だが、出奔計画として重要 |
| しののめ | 夜明け方。東の空が明るくなるころ。 | |
| 仄白い(ほのじろい) | かすかに白い。ぼんやり明るい。 | |
| 砂利道(じゃりみち) | 砂利を敷いた道。 | |
| 箒(ほうき) | 掃除に使う道具。 | |
| 薄明(はくめい) | 日の出前や日没後の薄明るい状態。 | |
| 総門(そうもん) | 寺院などの外構えにある正面の門。 | |
| 梢(こずえ) | 木の枝の先。 | |
| 高鳴る(たかなる) | 胸が激しく鼓動する。気持ちが高ぶる。 | |
| 羽搏く(はばたく) | 鳥が羽を動かして飛ぶ。比喩的に勢いよく動き出す。 | 現代表記では「羽ばたく」が普通 |
| 縛しめる(いましめる) | 縛る。動けないようにする。 | 古い表記 |
| 轗軻不遇(かんかふぐう) | 才能や志がありながら、世に認められず不遇であること。 | |
| 一散(いっさん) | わき目もふらず急いで走ること。 | |
| 軍用道路(ぐんようどうろ) | 軍事目的で使われる道路。 | 舞鶴の港町の描写 |
| 無機質(むきしつ) | 生命感や温かみがないこと。 | |
| 錆びた鉄(さびたてつ) | 酸化して赤茶色くなった鉄。 | 海の匂いの比喩 |
| 只中(ただなか) | まんなか。中心。 | 既出だが町の描写で再登場 |
| 狭隘(きょうあい) | 狭くてゆとりがないこと。 | |
| 艦艇(かんてい) | 軍艦や小型の軍用船。 | |
| 衛生管理(えいせいかんり) | 清潔さや健康を保つための管理。 | 占領下の港町の印象 |
| 軍港(ぐんこう) | 軍艦の基地となる港。 | |
| 雑然(ざつぜん) | 入り乱れてまとまりがないこと。 | |
| 肉体的(にくたいてき) | 身体に関するさま。 | 軍港の活力の描写 |
| 人工的(じんこうてき) | 自然ではなく、人の手で作られたさま。 | |
| 成生岬(なりうみさき) | 京都府舞鶴市にある岬。主人公の故郷に近い海の記憶と結びつく。 | 成生岬 |
| 肌理(きめ) | 物の表面の細かさ。皮膚や布などの質感。 | |
| 裏日本(うらにほん) | 日本海側を指す古い呼び方。 | 現在は使用に注意が必要な表現 |
| 苛立たしい(いらだたしい) | 思い通りにならず、いらいらするさま。 | |
| 由良(ゆら) | 京都府宮津市の地名。由良川河口付近にある。 | 由良 |
| 海水浴(かいすいよく) | 海で泳いだり、水に入ったりして楽しむこと。 | |
| 鬩ぎ合う(せめぎあう) | 互いに争い、押し合う。 | 陸地と海の力の描写 |
| 西舞鶴(にしまいづる) | 京都府舞鶴市西部の地域。 | 西舞鶴 |
| 三里(さんり) | 距離の単位。一里は約3.9キロメートル。三里は約12キロメートル。 | |
| 宮津線(みやづせん) | 京都府北部を通る鉄道路線。現在の京都丹後鉄道宮舞線・宮豊線に相当する区間を含む。 | 宮津線 |
| 滝尻峠(たきしりとうげ) | 舞鶴から由良方面へ向かう道中にある峠。 | 地名 |
| 由良川(ゆらがわ) | 京都府北部を流れ、日本海へ注ぐ川。 | 由良川 |
| 大川橋(おおかわばし) | 由良川に架かる橋として作中に登場する地名。 | 地名 |
| 河口(かこう) | 川が海や湖に注ぎ込むところ。 | |
| 明証(めいしょう) | はっきりした証拠。確かな証明。 | |
| 滞る(とどこおる) | 物事が進まなくなる。流れが止まる。 | |
| 到達(とうたつ) | 目的地や状態に行き着くこと。 | |
| 直面(ちょくめん) | 避けずに直接向き合うこと。 | |
| 不道徳(ふどうとく) | 道徳に反していること。 | |
| 荏苒(じんぜん) | 物事が長引いて、むなしく時が過ぎるさま。 | |
| 流域(りゅういき) | 川が水を集めて流れる範囲。 | |
| 不本意(ふほんい) | 自分の本当の望みとは違うこと。 | 由良川の流れの擬人化 |
| 西岸(せいがん) | 川や海などの西側の岸。 | |
| 夏蜜柑(なつみかん) | ミカン科の柑橘類。酸味の強い果実。 | ナツミカン |
| 和江(わえ) | 由良川周辺の小さな部落名として作中に登場する地名。 | 地名 |
| 部落(ぶらく) | 小さな集落。 | |
| 俄か(にわか) | 急に。突然。 | |
| 由緒(ゆいしょ) | 物事の由来や歴史。 | |
| 山椒太夫(さんしょうだゆう) | 説経節・森鷗外作品などで知られる伝説上の人物。 | 山椒大夫 |
| 邸跡(やしきあと) | 屋敷があった跡地。 | |
| 竹藪(たけやぶ) | 竹が群がって生えている場所。 | |
| 洲(す) | 川や海で、砂や土が堆積してできた小さな陸地。 | |
| ひれ伏す(ひれふす) | 身を低くして伏す。比喩的に、風などに押されて倒れる。 | |
| 天水(てんすい) | 雨水。 | |
| 町歩(ちょうぶ) | 土地面積の単位。一町歩は約一ヘクタール。 | |
| 釣糸(つりいと) | 魚釣りに使う糸。 | |
| 鯔(ぼら) | 河口や沿岸に生息する魚。 | ボラ |
| 筈(はず) | 当然そうなる見込み。 | |
| ざわめき | ざわざわと音がすること。 | |
| 雨滴(うてき) | 雨のしずく。 | |
| 河原(かわら) | 川辺にある石や砂の多い場所。 | |
| 時雨(しぐれ) | 降ったりやんだりする雨。 | 既出だが由良川の場面で再登場 |
| 荒涼(こうりょう) | 荒れ果てて寂しいこと。 | |
| 午さがり(ひるさがり) | 正午を過ぎたころ。午後の早い時間。 | |
| 媚びる(こびる) | 相手の気に入るようにふるまう。 | 自然が主人公に親密に迫る比喩 |
| 自足(じそく) | 他に頼らず、自分だけで満ち足りていること。 | |
| 脅やかす(おびやかす) | 不安や危険を感じさせる。 | |
| 想念(そうねん) | 心に浮かぶ考え。 | 金閣を焼く考え |
| 裡(うち) | 内側。心の中。 | 古い表記 |
| 啓示(けいじ) | 神や超越的なものが真理を示すこと。比喩的に、急に意味が明らかになること。 | |
| 搏たれる(うたれる) | 強い衝撃を受ける。心を打たれる。 | 現代表記では「打たれる」が普通 |
| 金閣を焼かなければならぬ(きんかくをやかなければならぬ) | 主人公の中で初めて明確に生まれる破壊の決意。 | 第8章の最重要語句 |
| 丹後由良駅(たんごゆらえき) | 京都丹後鉄道宮舞線の駅。作中では宮津線の駅として登場。 | 丹後由良駅 |
| 東舞鶴(ひがしまいづる) | 京都府舞鶴市東部の地域。 | 東舞鶴 |
| 辿る(たどる) | 道筋を追って進む。 | |
| 帰路(きろ) | 帰る道。 | |
| 殷賑(いんしん) | 人や物が集まり、にぎわうこと。 | |
| なりわい | 生活のための仕事。生業。 | |
| 由良館(ゆらかん) | 作中で主人公が泊まる駅前の旅館。 | 固有名 |
| 磨硝子(すりガラス) | 表面をこすって半透明にしたガラス。 | |
| 式台(しきだい) | 玄関先に設ける一段高い板敷きの場所。 | |
| 家内(いえうち) | 家の中。屋内。 | |
| 素朴(そぼく) | 飾り気がなく、自然で単純なこと。 | |
| 水槽(すいそう) | 水をためる容器。 | |
| 硝子戸(ガラスど) | ガラスをはめた戸。 | |
| 隙々(ひまひま) | 物事の合間。すき間。 | |
| 下駄箱(げたばこ) | 履物を入れる箱や棚。 | |
| 木目(もくめ) | 木材の表面に見える模様。 | |
| 輪郭(りんかく) | 物の外形を示す線。 | |
| 踵を返す(きびすをかえす) | 向きを変えて引き返す。 | |
| 宛がう(あてがう) | 割り当てる。与える。 | |
| 小間(こま) | 小さな部屋。 | |
| 手焙り(てあぶり) | 手を温めるための小さな火鉢。 | |
| 火気(かき) | 火の気。火の熱。 | |
| 黴臭さ(かびくささ) | かびのにおいがすること。湿って古い感じ。 | |
| 北風(きたかぜ) | 北から吹く風。 | |
| 戯れ(たわむれ) | 遊び。気まぐれな動き。 | 雲の動きの描写 |
| あてどない | 目的や方向がはっきりしない。 | |
| 明敏(めいびん) | 頭の働きが鋭いこと。 | |
| 理智(りち) | 理性と知恵。 | |
| 結晶(けっしょう) | 一定の形をもって固まったもの。比喩的に、純粋に凝縮されたもの。 | |
| 薄片(はくへん) | 薄いかけら。 | |
| 老師を殺す(ろうしをころす) | 主人公が金閣焼却と比較して考える破壊の対象。 | 実行ではなく心理の比較 |
| 三日(みっか) | 三日間。 | 由良館の逗留期間 |
| 逗留(とうりゅう) | 旅先などにしばらく滞在すること。 | |
| 打切る(うちきる) | 途中で終わりにする。 | 現代表記では「打ち切る」が普通 |
| 素振(そぶり) | 態度や様子。 | |
| 内儀(ないぎ) | 他人の妻、特に商家や宿屋の妻をいう語。 | 由良館の女性 |
| 警官(けいかん) | 警察官。 | |
| 発覚(はっかく) | 隠していたことが明らかになること。 | |
| 訊問(じんもん) | 問いただすこと。取り調べること。 | 現代表記では「尋問」が一般的 |
| 出奔(しゅっぽん) | 家や所属先を逃げ出して行方をくらますこと。 | |
| 学生証明書(がくせいしょうめいしょ) | 学生であることを証明する書類。 | |
| 宿料(やどりょう) | 宿泊代。 | |
| 仕払う(しはらう) | 代金を払う。 | 現代表記では「支払う」が普通 |
| 保護(ほご) | 危険や困難から守ること。 | |
| 附添う(つきそう) | そばについて世話や見守りをする。 | 現代表記では「付き添う」が普通 |
| 私服(しふく) | 制服ではない普段の服。 | |
| 汽車(きしゃ) | 列車。 | 当時の鉄道表現 |
| 事務室(じむしつ) | 事務を行う部屋。 | |
| 駅長(えきちょう) | 駅の責任者。 | |
| 駅員(えきいん) | 駅で働く職員。 | |
| 甥(おい) | 兄弟姉妹の息子。 | 警官が主人公を紹介する口実 |
| 革命家(かくめいか) | 社会や体制を根本から変えようとする人。 | 主人公が自分の心理を理解する比喩 |
| 火鉢(ひばち) | 灰を入れ、炭火で暖を取る器具。 | 火鉢 |
| 談笑(だんしょう) | 楽しく話し笑うこと。 | |
| 秩序(ちつじょ) | 物事が整っている状態。社会の規則立った状態。 | |
| 崩壊(ほうかい) | 崩れて壊れること。 | |
| 変貌(へんぼう) | 姿や様子が大きく変わること。 | |
| 金科玉条(きんかぎょくじょう) | 絶対に守るべき重要な決まり。 | |
| 時刻表(じこくひょう) | 列車などの発着時刻を示した表。 | |
| 未来の犯人(みらいのはんにん) | まだ実行していないが、犯行を決意している自分を指す表現。 | 主人公の自己認識 |
| 吹聴(ふいちょう) | 言いふらすこと。 | |
| 活劇(かつげき) | 立ち回りや冒険を中心にした劇・映画。 | |
| 逞しい(たくましい) | 体や精神が強くしっかりしている。 | |
| 黒盤(こくばん) | 黒板。 | 駅の事務室の描写 |
| 魅惑(みわく) | 人の心をひきつけて迷わせること。 | |
| 嫉視(しっし) | ねたんで見ること。 | |
| 還俗(げんぞく) | 出家した僧が、普通の世俗の生活に戻ること。 | 仏教語 |
| 別誂え(べつあつらえ) | 特別に注文して作らせること。比喩的に、特別製。 | |
| 未聞(みもん) | 今まで聞いたことがないこと。 | |
第9章
| 語(よみ) | 意味 | 備考 |
|---|
| 出奔(しゅっぽん) | 家や所属先を逃げ出して行方をくらますこと。 | 第8章から継続する重要語 |
| 累積(るいせき) | 物事が次々と積み重なること。 | 出奔の原因が積み重なったこと |
| 熟慮(じゅくりょ) | よく考えをめぐらすこと。 | |
| 出しぬけ(だしぬけ) | 突然で予想できないこと。 | |
| 衝動(しょうどう) | 強く心を突き動かすこと。 | 第9章では、主人公が「衝動の模倣」を好むと語る |
| 模倣(もほう) | まねること。 | 主人公の自己分析に関係 |
| 墓参り(はかまいり) | 墓に参って故人を弔うこと。 | |
| 心変り(こころがわり) | 気持ちや考えが変わること。 | |
| 意志(いし) | 何かをしようとする心の働き。 | |
| 復讐(ふくしゅう) | 恨みを晴らすために仕返しをすること。 | ここでは自分の意志への復讐という心理 |
| 直接の動機(ちょくせつのどうき) | 行動を起こす直接のきっかけ。 | |
| 決然(けつぜん) | きっぱりと決心しているさま。 | |
| 口調(くちょう) | 話し方の調子。 | |
| 後継(こうけい) | 地位や役目を受け継ぐこと。また、その人。 | 老師の宣告に関係 |
| 心づもり(こころづもり) | 心の中で予定していること。 | |
| 明言(めいげん) | はっきりと言うこと。 | |
| 宣告(せんこく) | 決定や判断をはっきり告げること。 | 老師の言葉 |
| 予感(よかん) | 前もって何かが起こりそうだと感じること。 | |
| 覚悟(かくご) | 困難や結果を受け入れる心構え。 | |
| 寝耳に水(ねみみにみず) | 突然の出来事に驚くこと。 | |
| 仰天(ぎょうてん) | 非常に驚くこと。 | |
| 狼狽(ろうばい) | あわてふためくこと。 | |
| 触発(しょくはつ) | 刺激を受けて、行動や感情が引き起こされること。 | |
| 術策(じゅっさく) | はかりごと。たくらみ。 | 写真の件に関係 |
| 憎しみ(にくしみ) | 強く憎む感情。 | |
| 学業(がくぎょう) | 学校での勉強。 | |
| おろそか | いい加減にすること。大切に扱わないこと。 | |
| 華語(かご) | 中国語。 | 大谷大学の科目 |
| 席次(せきじ) | 成績などの順位。 | |
| 落第(らくだい) | 試験や進級に不合格になること。 | |
| 本科(ほんか) | 予科などに対して、本来の専門課程。 | |
| 黙認(もくにん) | 知っていながら、見逃して認めること。 | |
| なおざり | 真剣に扱わず、いい加減にすること。 | |
| 晩春(ばんしゅん) | 春の終わりごろ。 | |
| 初夏(しょか) | 夏の初め。 | |
| 社(やしろ) | 神社。 | |
| 見物(けんぶつ) | 名所や催しなどを見て楽しむこと。 | |
| 妙心寺(みょうしんじ) | 京都市右京区にある臨済宗妙心寺派の大本山。 | 妙心寺 |
| 寺ノ前町(てらのまえちょう) | 妙心寺の表通り付近に出る地名。 | 地名 |
| 歩度(ほど) | 歩く速さ。 | |
| 制帽(せいぼう) | 学校や団体で定められた帽子。 | 京都大学の学生を示す要素 |
| 京都大学(きょうとだいがく) | 京都市左京区に本部を置く国立大学。 | 京都大学 |
| 眉(まゆ) | 目の上にある毛。 | |
| 横顔(よこがお) | 横から見た顔。 | |
| 視線(しせん) | 目で見る方向。まなざし。 | |
| 孤立(こりつ) | 他とのつながりを失って、ひとりになること。 | 主人公の心理状態 |
| 紊す(みだす) | 秩序などを乱す。 | 現代表記では「乱す」が一般的 |
| 恥辱(ちじょく) | はずかしめ。面目を失うこと。 | |
| 同類(どうるい) | 同じ種類のもの。似た者。 | 京大生に対する主人公の意識 |
| 嫉妬(しっと) | 他人の優位や幸福をねたむこと。 | |
| 享受(きょうじゅ) | 受け入れて味わうこと。 | |
| 生活力(せいかつりょく) | 生活を営む力。現実を生きる力。 | |
| 屈服(くっぷく) | 相手に負けて従うこと。 | |
| 頑な(かたくな) | かたくなで、考えを変えようとしないこと。 | |
| 遊蕩(ゆうとう) | 酒色などにふけって遊び歩くこと。 | |
| 放蕩(ほうとう) | 酒色などにふけって身持ちが乱れること。 | |
| 歓楽街(かんらくがい) | 飲食店や遊興施設が集まる地域。 | |
| 祇園(ぎおん) | 京都市東山区の花街・歓楽街。 | 祇園 |
| 木屋町(きやまち) | 京都市中京区・下京区の高瀬川沿いの通り。飲食街として知られる。 | 木屋町通 |
| 先斗町(ぽんとちょう) | 京都市中京区にある花街・飲食街。 | 先斗町 |
| 飄然(ひょうぜん) | ふらりと現れるさま。とらわれず軽やかなさま。 | |
| 放浪(ほうろう) | あてもなくさまようこと。 | |
| 憔悴(しょうすい) | 疲れや悩みでやつれること。 | |
| 清潔(せいけつ) | 汚れがないこと。 | 京大生の印象と対比される |
| 汚辱(おじょく) | けがされ、辱められること。 | 母への感情にもつながる語 |
| 梅もどき(うめもどき) | モチノキ科の落葉低木。赤い実をつける。 | ウメモドキ |
| 啄む(ついばむ) | 鳥がくちばしでつついて食べる。 | |
| 胸毛(むなげ) | 胸に生えている毛。ここでは小鳥の胸の羽毛。 | |
| 朋輩(ほうばい) | 同じ身分や立場の仲間。 | |
| 住心地(すみごこち) | 住んでいるときの快適さ。 | 新しい日々の感覚 |
| 錯覚(さっかく) | 実際とは違って感じたり思い込んだりすること。 | |
| 終末(しゅうまつ) | 物事の終わり。 | 金閣焼却を前提にした視点 |
| 根拠(こんきょ) | 考えや行動のよりどころ。 | |
| 唐突(とうとつ) | 突然で不自然なさま。 | |
| 想念(そうねん) | 心に浮かぶ考え。 | 金閣を焼くという考え |
| 仕立卸し(したておろし) | 仕立てて初めて着ること。また、その服。 | 金閣焼却の考えが体に合う比喩 |
| 身内(みうち) | 体の内側。心身の内面。 | |
| 開花(かいか) | 花が開くこと。比喩的に、内にあったものが現れること。 | |
| 放火者(ほうかしゃ) | 火をつけて火事を起こす者。 | 主人公の自己認識 |
| 閲する(けみする) | 時間や経験を経る。 | 誕生日を経て満二十一歳になる文脈 |
| 満二十一歳(まんにじゅういっさい) | 満年齢で二十一歳。 | |
| 成績(せいせき) | 学業などの結果。 | |
| 欠席時数(けっせきじすう) | 授業を欠席した時間数。 | |
| 上廻る(うわまわる) | ある基準を超える。 | 現代表記では「上回る」が一般的 |
| 仏の慈悲心(ほとけのじひしん) | 仏が衆生をあわれみ救おうとする心。 | 落第がないことへの皮肉 |
| 大谷大学(おおたにだいがく) | 京都市北区にある仏教系大学。 | 大谷大学 |
| 照覧(しょうらん) | 神仏や高貴な存在が見ていること。 | |
| 永劫(えいごう) | きわめて長い時間。永遠。 | |
| 光輝(こうき) | 光り輝くこと。 | |
| 幻滅(げんめつ) | 理想や期待が壊れて失望すること。 | |
| 至福(しふく) | この上ない幸福。 | |
| 空漠(くうばく) | 広々として、つかみどころがないこと。 | |
| 虚脱(きょだつ) | 力が抜けてぼんやりすること。 | |
| 逡巡(しゅんじゅん) | 決断できずためらうこと。 | |
| 機縁(きえん) | 物事が起こるきっかけ。仏教では悟りに入る縁。 | |
| 決行(けっこう) | 思い切って実行すること。 | 放火の実行に関係 |
| 放逐(ほうちく) | 追い払うこと。追放すること。 | 老師による追放をあてにしない決意 |
| 無礙(むげ) | 妨げがないこと。自由自在であること。 | 仏教語。主人公の決行意識 |
| 朝焼け(あさやけ) | 日の出のころ、東の空が赤く染まること。 | |
| 色褪せる(いろあせる) | 色が薄くなる。勢いが失われる。 | |
| 殖える(ふえる) | 増える。 | 現代表記では「増える」が一般的 |
| 拱北楼(きょうほくろう) | 北山殿にあった住宅関係の建築名。 | 既出だが場所説明として再掲 |
| 濡縁(ぬれえん) | 雨戸の外側などにある、雨に濡れる縁側。 | |
| 鮮やか(あざやか) | 色や形がはっきりして美しいこと。 | |
| 立去る(たちさる) | その場から離れて行く。 | 現代表記では「立ち去る」が普通 |
| 朝鮮動乱(ちょうせんどうらん) | 1950年に始まった朝鮮戦争を指す当時の呼び方。 | 朝鮮戦争 |
| 勃発(ぼっぱつ) | 事件や戦争などが突然起こること。 | |
| 没落(ぼつらく) | 栄えていたものが衰え落ちること。 | |
| 破滅(はめつ) | 完全にだめになること。滅びること。 | |
| 板戸(いたど) | 板で作った戸。 | |
| 二寸(にすん) | 長さの単位。約6センチメートル。 | |
| 釘(くぎ) | 物を固定するために打ち込む金属の棒。 | |
| 法水院(ほすいいん) | 金閣第一層の名称。 | 第1章からの建築語 |
| 入口(いりぐち) | 入るための口。 | |
| 錠前(じょうまえ) | 扉などを閉じておくための鍵の装置。 | |
| 閂(かんぬき) | 門や戸を内側から閉めるために横に差す木や金具。 | |
| 忍び込む(しのびこむ) | 人目を避けてこっそり入る。 | |
| 下見(したみ) | 事前に場所や様子を見ておくこと。 | |
| 仕掛け(しかけ) | 目的のために前もって施す工夫。 | |
| 周到(しゅうとう) | 準備や注意が細かく行き届いていること。 | |
| 準備(じゅんび) | 物事を行う前に整えること。 | |
| 機会(きかい) | 物事をするのにちょうどよい時。 | |
| 猶予(ゆうよ) | 実行を先に延ばすこと。 | |
| 密室(みっしつ) | 外から隔てられた閉ざされた部屋。 | |
| 余地(よち) | 何かをするための余裕や可能性。 | |
| 世界の破滅(せかいのはめつ) | 世界が完全に壊れ滅びること。 | 朝鮮動乱と主人公の予感が結びつく |
第10章
| 語(よみ) | 意味 | 備考 |
|---|
| 決行(けっこう) | 思い切って実行すること。 | 金閣焼却を実行する章 |
| 決心(けっしん) | 心を決めること。 | 第9章から続く実行意志 |
| 錠前(じょうまえ) | 扉などを閉じておくための鍵の装置。 | 金閣への侵入経路に関係 |
| 観音披き(かんのんびらき) | 左右二枚の扉が中央から両側へ開く構造。 | 金閣の扉の形式 |
| 閣内(かくない) | 楼閣の内部。 | 金閣内部を指す |
| 老朽(ろうきゅう) | 古くなって傷むこと。 | 北側の板戸の状態 |
| 釘(くぎ) | 物を固定するために打ち込む金属の棒。 | |
| 緩む(ゆるむ) | 固く締まっていたものがゆるくなる。 | |
| 抽斗(ひきだし) | 机などに付いている引き出し。 | |
| 保存(ほぞん) | そのまま取っておくこと。 | 抜いた釘を保管する場面 |
| 千本今出川(せんぼんいまでがわ) | 京都市上京区付近の交差点・地名。 | |
| 西陣署(にしじんしょ) | 京都市上京区にあった警察署名として作中に登場。 | 地名・施設名 |
| 薬屋(くすりや) | 薬を売る店。 | |
| カルモチン | 睡眠薬として用いられた薬品名。 | 主人公が購入する薬 |
| 小瓶(こびん) | 小さな瓶。 | |
| 大型(おおがた) | サイズが大きいこと。 | |
| 金物屋(かなものや) | 金属製品や刃物などを売る店。 | |
| 刃渡り(はわたり) | 刃物の刃の長さ。 | |
| 鞘附小刀(さやつきこがたな) | 鞘の付いた小さな刃物。 | 現代表記では「鞘付き小刀」が普通 |
| 開襟シャツ(かいきんシャツ) | 襟元が開いたシャツ。 | 戦後の風俗描写 |
| 刑事(けいじ) | 犯罪捜査を担当する警察官。 | |
| 鞄(かばん) | 物を入れて持ち運ぶ袋・ケース。 | |
| 注意を払う(ちゅういをはらう) | 気にかけて見る。関心を向ける。 | |
| 敵(てき) | 自分に対立する相手。 | 主人公が周囲を意識する心理 |
| 足どり(あしどり) | 歩く様子。歩調。 | |
| 燐寸(マッチ) | 火をつけるための道具。マッチ。 | |
| 紙包み(かみづつみ) | 紙で包んだもの。 | |
| 藁(わら) | 稲や麦などの茎を乾燥させたもの。燃えやすい材料。 | |
| 蚊帳(かや) | 蚊を防ぐため、寝床の周囲につるす網状の布。 | 燃えやすい荷物として用いられる |
| 敷蒲団(しきぶとん) | 下に敷いて寝る布団。 | 現代表記では「敷布団」が普通 |
| 掛蒲団(かけぶとん) | 上に掛けて寝る布団。 | 現代表記では「掛布団」が普通 |
| 柳行李(やなぎごうり) | 柳などで編んだ衣類入れ。 | 行李 |
| トランク | 旅行用の大型かばん。 | |
| 灰皿(はいざら) | 煙草の灰を落とす皿。 | |
| インキ瓶(インキびん) | インクを入れる瓶。 | |
| 座蒲団(ざぶとん) | 座るときに敷く布団。 | |
| 風呂敷(ふろしき) | 物を包んで運ぶための四角い布。 | 風呂敷 |
| 板戸(いたど) | 板で作った戸。 | 金閣の北側の板戸 |
| 柔土(やわつち) | やわらかい土。 | 釘がたやすく抜ける比喩 |
| 朽木(くちき) | 腐ってもろくなった木。 | |
| 頬(ほお) | 顔の左右の側面。 | |
| 硝子ケース(ガラスケース) | ガラスでできた展示用の箱。 | 金閣模型のケース |
| 金閣模型(きんかくもけい) | 金閣を小さく再現した模型。 | |
| 繊細(せんさい) | 細かくて delicate なこと。 | 模型の木組の描写 |
| 木組(きぐみ) | 木材を組み合わせた構造。 | 建築語 |
| 蹲踞う(つくばう) | しゃがむ。うずくまる。 | 現代表記では「蹲う」「つくばう」 |
| 忽ち(たちまち) | すぐに。あっという間に。 | |
| 人目(ひとめ) | 他人に見られること。 | |
| 厄介(やっかい) | 面倒なこと。扱いにくいこと。 | |
| 弥陀(みだ) | 阿弥陀如来の略。 | 阿弥陀如来 |
| 観音(かんのん) | 観音菩薩。苦しむ人を救う菩薩。 | 観音菩薩 |
| 勢至(せいし) | 勢至菩薩。智慧の光で人々を救う菩薩。 | 勢至菩薩 |
| 三尊像(さんぞんぞう) | 中心の仏と左右の二尊を合わせた三体の仏像。 | |
| 義満像(よしみつぞう) | 足利義満の像。 | 足利義満 |
| 証人(しょうにん) | 事実を見たり知ったりしている人。 | 義満像への主人公の意識 |
| 死んだ証人(しんだしょうにん) | 何も見られないはずの義満像を、証人のように感じる表現。 | 作中独自の表現 |
| 花紙(はながみ) | 薄く柔らかい紙。 | 燐寸箱の音を消すために使う |
| 手巾(ハンカチ) | 手や汗などを拭く小さな布。ハンカチ。 | |
| 最中(もなか) | 餡を薄い皮ではさんだ和菓子。 | 最中 |
| 煙草(たばこ) | 喫煙に用いる葉。 | タバコ |
| ジャンパー | 上着の一種。 | |
| 機械的(きかいてき) | 感情を交えず、決められた動作のように行うさま。 | 荷物を運ぶ動作 |
| 吊手(つりて) | 物を吊るすための紐や取っ手。 | 蚊帳の付属部分 |
| 乱雑(らんざつ) | 整理されず、乱れていること。 | |
| 一等(いっとう) | 最も。いちばん。 | 燃えやすさの判断 |
| 張り渡す(はりわたす) | 一方から他方へ広げて張る。 | |
| 賽銭箱(さいせんばこ) | 神社仏閣で参拝者が賽銭を入れる箱。 | 賽銭 |
| 躍り込む(おどりこむ) | 勢いよく中へ入る。 | |
| 投り込む(ほうりこむ) | 乱暴に投げ入れる。 | 現代表記では「放り込む」が普通 |
| 鼓動(こどう) | 心臓が打つこと。 | |
| 慄える(ふるえる) | 恐怖や寒さで震える。 | 現代表記では「震える」が一般的 |
| 隙々(ひまひま) | 物の間のすき間。 | |
| 束ねる(つかねる) | いくつかをまとめる。 | |
| 堆積(たいせき) | 積み重なること。 | |
| 枯野(かれの) | 草木が枯れた野原。 | 藁の色の比喩 |
| 俄かに(にわかに) | 急に。突然。 | |
| 焔(ほのお) | 燃え上がる火。炎。 | |
| 明滅(めいめつ) | 明るくなったり暗くなったりすること。 | |
| 放射(ほうしゃ) | 中心から周囲へ放つこと。 | 炎の広がり |
| 落着(らくちゃく) | 落ち着くこと。決着すること。 | |
| 静止(せいし) | 動きを止めていること。 | |
| 朋輩(ほうばい) | 同じ立場の仲間。 | 寺の仲間 |
| 焚火(たきび) | 屋外で木や枝などを燃やす火。 | |
| 法水院(ほすいいん) | 金閣第一層の名称。 | 火が広がる場所 |
| 熱さ(あつさ) | 熱によって感じる高温の感覚。 | |
| 着実(ちゃくじつ) | 確実に物事が進むこと。 | |
| 短刀(たんとう) | 短い刀。 | 主人公が携える刃物 |
| 究竟頂(くっきょうちょう) | 金閣第三層の名称。 | 主人公が死場所として目指す場所 |
| 死場所(しにばしょ) | 死ぬ場所。 | 究竟頂への欲望 |
| 遁れる(のがれる) | 逃れる。避ける。 | |
| 窄い(せまい) | 幅が狭い。 | 現代表記では「狭い」が普通 |
| 潮音洞(ちょうおんどう) | 金閣第二層の名称。 | 最終場面の通過点 |
| 老案内人(ろうあんないにん) | 年老いた案内人。 | 戸締まりの原因に関係 |
| 戸締り(とじまり) | 戸や窓に鍵をかけること。 | |
| 煙(けむり) | 物が燃えるときに出る気体や微粒子。 | |
| 咳き込む(せきこむ) | 続けて咳をする。 | |
| 恵心(えしん) | 恵心僧都源信のこと。 | 源信 |
| 天人奏楽(てんにんそうがく) | 天人が音楽を奏でる図柄。 | 天井画の題材 |
| 天井画(てんじょうが) | 天井に描かれた絵。 | |
| 堅固(けんご) | しっかりしていて容易に壊れないこと。 | 究竟頂の鍵 |
| 懸命(けんめい) | 全力を尽くすこと。 | |
| 救済(きゅうさい) | 苦しみや危険から救うこと。 | 究竟頂の扉を叩く心理 |
| 性急(せいきゅう) | せっかちで、物事を急ぐこと。 | |
| 彼方(かなた) | 向こう側。遠く。 | |
| 三間四尺七寸(さんげんよんしゃくななすん) | 長さ・広さの古い単位による寸法。 | 究竟頂の小部屋の大きさ |
| 剥落(はくらく) | 表面の塗装や箔などが剥がれ落ちること。 | |
| 金箔(きんぱく) | 金を薄く延ばしたもの。 | 金箔 |
| 隈なく(くまなく) | すみずみまで。残らず。 | |
| 眩い(まばゆい) | まぶしいほど明るい。 | |
| 憧れる(あこがれる) | 強く心を引かれる。 | |
| 噎せる(むせる) | 煙や食べ物などで息が詰まり、咳き込む。 | |
| 拒まれる(こばまれる) | 受け入れられず、しりぞけられる。 | 究竟頂の扉に象徴される体験 |
| 飜す(ひるがえす) | 身を反転させる。 | 現代表記では「翻す」が一般的 |
| 渦巻く(うずまく) | 渦のように巻いて動く。 | |
| 戸外(こがい) | 家や建物の外。 | |
| 韋駄天(いだてん) | 仏法を守る神。非常に足の速い者のたとえ。 | 韋駄天 |
| 拱北楼(きょうほくろう) | 北山殿にあった住宅関係の建築名。 | 逃走経路の付近 |
| 裏門(うらもん) | 正門ではない裏側の門。 | |
| 明王殿(みょうおうでん) | 明王をまつる堂。 | 鹿苑寺周辺の建物名 |
| 笹(ささ) | 細い竹に似た植物。 | ササ |
| 躑躅(つつじ) | ツツジ科の低木。春に花を咲かせる。 | ツツジ |
| 左大文字山(ひだりだいもんじやま) | 京都の五山送り火で知られる左大文字の山。 | 左大文字 |
| 頂き(いただき) | 山の頂上。 | |
| 赤松(あかまつ) | マツ科の常緑高木。 | アカマツ |
| 木かげ(こかげ) | 木の陰。 | |
| 笹原(ささはら) | 笹が一面に生えている場所。 | |
| 動悸(どうき) | 心臓の鼓動が激しく感じられること。 | |
| 喘ぐ(あえぐ) | 苦しくて、はあはあと息をする。 | |
| 明瞭(めいりょう) | はっきりしていること。 | |
| 意識(いしき) | 自分や周囲を認識する心の働き。 | |
| 取戻す(とりもどす) | 失ったものを再び得る。 | 現代表記では「取り戻す」が普通 |
| 叫喚(きょうかん) | 大声で叫ぶこと。 | 鳥の声の描写 |
| 羽音(はおと) | 鳥や虫が羽ばたく音。 | |
| 薄暗い(うすぐらい) | 少し暗い。 | |
| 茜色(あかねいろ) | 赤みを帯びた夕焼けのような色。 | |
| 火照り(ほてり) | 熱を帯びてほてること。 | |
| 煙霧(えんむ) | 煙や霧でかすんだ状態。 | |
| 眺め下ろす(ながめおろす) | 高い所から下を見る。 | |
| 焦土(しょうど) | 焼けて荒れ果てた土地。 | |
| 残骸(ざんがい) | 壊れたり焼けたりして残ったもの。 | |
| 虚空(こくう) | 何もない空間。大空。 | 仏教語としても使われる |
| 充満(じゅうまん) | いっぱいに満ちること。 | |
| 銷魂(しょうこん) | 魂が消えるほど、深く心を奪われること。 | |
| 爽快(そうかい) | 気分がすっきりして心地よいこと。 | 最後の心理 |
| 生きよう(いきよう) | 生きていこうとする意志。 | 最終場面の結論 |
この記事を書いた人
雇われのシステムエンジニアです。
普段は車載ECUのセキュリティー分野に従事しております。
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