AIZU ONLINE JUDGE ITP1_10_Dをpythonで解いてみた

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問題:ミンコフスキー距離

2つのデータがどれだけ似ているかを、それらの距離で測る手法は、クラスタリングや分類など、様々なところで使われています。ここでは、2つの \(n\) 次元ベクトル \(x={x1,x2,…,xn}\) と \(y={y1,y2,…,yn}\) の距離を計算してみましょう。

このようなデータの距離を測る指標のひとつとして、次のミンコフスキー距離が知られています。

$$D_{xy} = (\sum_{i=1}^n |x_i – y_i|^p)^{\frac{1}{p}}$$

p=1 のとき

$$D_{xy} = |x_1 – y_1| + |x_2 – y_2| + … + |x_n – y_n|$$

となり、これはマンハッタン距離とよばれます。

p=2 のとき

$$D_{xy} = \sqrt{(|x_1 – y_1|)^{2} + (|x_2 – y_2|)^{2} + … + (|x_n – y_n|)^{2}}$$

となり、これは一般的に使われるユークリッド距離になります。

p=∞ のとき

$$D_{xy} = max_{i=1}^n (|x_i – y_i|)$$

となり、これはチェビシェフ距離と呼ばれます。

2つの n 次元ベクトルが与えられるので、p がそれぞれ 1、2、3、∞ のミンコフスキー距離を求めるプログラムを作成してください。

Input

1行目に整数 n が与えられます。2行目にベクトル x の要素 \( {x1,x2,…xn} \)、3行目にベクトル y の要素 \( {y1,y2,…yn} \) が空白区切りで与えられます。入力はすべて整数値です。

Output

p がそれぞれ 1、2、3、∞ の順番にそれぞれ1行に距離を出力してください。ただし、0.00001 以下の誤差があってもよいものとします。

Constraints

  • 1≤n≤100
  • 0≤xi,yi≤1000

Sample Input

3
1 2 3
2 0 4

Sample Output

4.000000
2.449490
2.154435
2.000000

解答例

n = int(input())
X = list(map(int, input().split()))
Y = list(map(int, input().split()))
# p=1,2,3
for p in range(1, 4):
    print("{0:.6f}".format(sum([abs(a-b)**p for a, b in zip(X, Y)])**(1/p)))
# p=infinity
print("{0:.6f}".format(max([abs(a-b) for a, b in zip(X, Y)])))

解説

以下のように解いていきます。

  1. 1つの整数の読み込み
  2. ベクトル X,ベクトル Yの読み込み
  3. p=1,2,3のミンコフスキー距離の表示
  4. p=infinityのミンコフスキー距離の表示

キーボードから文字列を受け取る際に使用するinput関数をint関数で囲み、整数を受け取ります。

# input関数をint関数で囲み、整数値として変数に代入
n = int(input())

※サイト内「AIZU ONLINE JUDGE ITP1_1_Bをpythonで解いてみた」の、input関数とはに使用方法が書かれておりますのでぜひご覧ください。

ここでは、map関数を使用します。第二引数のinput().split()で空白区切りの文字列を取得した値を、一つずつint関数に当てはめてint型に変換、さらにlist関数で囲み、リストとして変数Xに設定します。同じようにベクトルYも取得します。

# input().split()で空白区切りの文字列を取得 → intに変換 → list関数で囲み、リストとしてXに設定
X = list(map(int, input().split()))
# input().split()で空白区切りの文字列を取得 → intに変換 → list関数で囲み、リストとしてYに設定
Y = list(map(int, input().split()))

※サイト内「AIZU ONLINE JUDGE ITP1_1_Cをpythonで解いてみた」の、map関数とはにも使用方法が書かれておりますのでよかったらご覧ください。

ここで使用するabs関数、zip関数について説明します。

abs関数とは

abs関数は引数に数値を設定することで、その絶対値を取得する事ができる関数です。使い方は以下です。

x = abs(-10)
print(x)
# 出力
# 10

y = abs(10)
print(y)
# 出力
# 10

zip関数とは

zip関数は複数のリストを同時に取得できる関数です。

zip(リスト1, リスト2, …)

実際の使い方は以下のようになります。複数のリストから要素を同時に取り出しそれぞれの変数(name, age)に入れます。

names = ['taro', 'hanako', 'jiro']
ages = [25, 30, 27]

# 複数のリストから同時に要素を取り出し、変数に代入する
for name, age in zip(names, ages):
    print(name, age)

# 出力
# taro 25
# hanako 30
# jiro 27

今回は、\(D_{xy} = (\sum_{i=1}^n |x_i – y_i|^p)^{\frac{1}{p}}\)の公式に沿って記述します。

リストX、リストYから要素を一つずつ取り出し、絶対値をとってp乗します。リストの総数まで足し合わせたら、\(\frac{1}{p}\)乗します。これをp=1,2,3で行います。

# 1から3までのループ処理を行う
for p in range(1, 4):
    # zip関数でX, Yから1要素ずつa, bに取り出す → abs関数で絶対値をとりp乗 → sum関数で総数を算出 → 1/p乗する
    print("{0:.6f}".format(sum([abs(a-b)**p for a, b in zip(X, Y)])**(1/p)))

p=∞のミンコフスキー距離はチェビシェフ距離と呼ばれ、各座標の差(の絶対値)の最大値を2点間の距離とします。\(D_{xy} = max_{i=1}^n (|x_i – y_i|)\)の公式に沿って考えると、リストX、リストYから要素を一つずつ取り出し、絶対値の中で最大値がチェビシェフ距離です。

# zip関数でX, Yから1要素ずつa, bに取り出す → abs関数で絶対値をとる → max関数で最大値を求める
print("{0:.6f}".format(max([abs(a-b) for a, b in zip(X, Y)])))

最後に、もう一度プログラムを確認してみましょう。

# input関数をint関数で囲み、整数値として変数に代入
n = int(input())
# input().split()で空白区切りの文字列を取得 → intに変換 → list関数で囲み、リストとしてXに設定
X = list(map(int, input().split()))
# input().split()で空白区切りの文字列を取得 → intに変換 → list関数で囲み、リストとしてYに設定
Y = list(map(int, input().split()))
# 1から3までのループ処理を行う
for p in range(1, 4):
    # zip関数でX, Yから1要素ずつa, bに取り出す → abs関数で絶対値をとりp乗 → sum関数で総数を算出 → 1/p乗する
    print("{0:.6f}".format(sum([abs(a-b)**p for a, b in zip(X, Y)])**(1/p)))
# zip関数でX, Yから1要素ずつa, bに取り出す → abs関数で絶対値をとる → max関数で最大値を求める
print("{0:.6f}".format(max([abs(a-b) for a, b in zip(X, Y)])))
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この記事を書いた人

雇われのシステムエンジニアです。
普段は車載ECUのセキュリティー分野に従事しております。

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