大きな筋肉は遅いのか?

目次

結論

理論的には、筋肉が肥大して太くなればなるほど、その分、筋肉の力も強くなると言われています。そして、力が強ければ強いほど、出せるスピードも速くなると考えられます。

詳細

物理的法則

まず物理の法則を考えてみましょう。速度は加速度の時間積分値となるので、加速度が大きければ大きな速度を発揮できます。これは運動学の基本的な等式 a = dv/dt からわかります。ここでaは加速度、vは速度、tは時間です。したがって、加速度が大きくなれば速度も大きくなります。

さらに、ニュートンの第二法則(F=ma)を考えると、加速度は力に比例します。ここでFは力、mは質量、aは加速度です。したがって、力が強ければ、加速度が大きくなり、それが結果的に大きな速度を生み出します。

生理的法則

一方、筋肉の生理学を考えると、筋力と速度には相関があります。具体的には、筋力が強ければ、運動時にかかる相対的な負荷が小さくなり、結果として速度が上がることが多いです。

これは、例えばベンチプレスの挙上速度を考えると理解しやすいです。たとえば、ある人のベンチプレスの最大重量(MAX)が60kgだとしましょう。その人が30kgのバーベルを持ち上げる速度は一定です。しかし、その人のMAXが100kgに上がった場合、同じ30kgのバーベルを持ち上げる速度はずっと速くなります。これは、相対的な負荷が小さくなったからです。

まとめ

このように、筋肉の大きさや力だけでなく、物理的な法則と生理的な法則を組み合わせて考えることで、筋肉の動きと速度の関係をより深く理解することができます。それぞれの法則はそれぞれの視点から筋肉の動きと速度の関係を説明しますが、実際の人間の動きはこれらの法則が複雑に絡み合った結果となります。

余談


アニメ「ドラゴンボール」には、トランクスが巨大な筋肉ゆえにスピードが低下するというシーンが存在します。これが原因で、「筋力が増えてもスピードがつかないとなれば筋トレは無意味だ」という思考が一部に見られます。しかし、筋肉の機能を物理的な法則と生理的な法則を踏まえて考えると、その考えは必ずしも正しくありません。

理論上、筋肉が大きくなれば生じる力も大きくなり、スピードも向上するはずです。しかしながら、生理的な視点から見ると、筋肉が大きくなると必要な酸素量や栄養素も増え、これらが適切に供給されない場合、パフォーマンスは低下します。

したがって、「スピードがつかない」とは、物理的な力と生理的な状態のバランスがうまく取れていない、つまり筋肉のエンジンをフルに活用できていない状況を示しています。このように、筋肉の動きと速度の関係性は、筋肉の大きさや力だけでなく、物理的な法則と生理的な法則を複雑に組み合わせて理解する必要があります。

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この記事を書いた人

雇われのシステムエンジニアです。
普段は車載ECUのセキュリティー分野に従事しております。

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